“10倍ズーム搭載コンパクト機”の本命?――富士写「FinePix S5000」

 いろんな意味で話題沸騰の S5000 のレビュー。
 画質はほぼ語り尽くされたと思うので置いとくとして、やはり触った感触は非常にイイです。すっげぇ構えやすい。個人的には右目ファインダではなく左目ファインダで、ズームが背面ボタン式ではなく電源ボタンを囲うような形ならもっと良かったなぁと。
 あとモードダイヤルに P/A/S/M が独立して付いているのがいいですね。テレ側で絞り解放にするため絞り優先モードにしようとすると、C-7xx系だと P だけが独立してて、A/S/M がメニュー内切り替えだったりするのでスムーズにはいきません。
 FinePix F410 から搭載された F ボタンもイイです。Canon で言う Fanction ボタンの簡単なヤツ。画質モードや ISO 感度なんかを設定するときはここでまとめてやれるので、メニューを深く掘らなくてもいいのがラクでいいです。
 残念な点は、やはり合焦時にファインダがフリーズする仕様であること。レリーズ半押しすると画面が固まり、合焦すると解除されます。CASIO のデジカメなんかでも合焦時フリーズはあるんですが、フツーの 3 倍ズーム機とは違いこういう高倍率ズーム機で望遠使って動くものを撮ろうとするとき、このフリーズが命取りになります。
 あと露出補正は本体上部のボタンを押しながら十時キーの左右で調整するんですが、これも左右キーだけでやりたい。ていうかこの組み合わせは押しにくい。多分一眼レフに似た操作感を出そうとした結果なんでしょうが、普通一眼レフなら左右キーじゃなくジョグダイヤルでやります。それなら OLYMPUS みたいに左右キーだけでやらせてほしいですね。ちなみに左右キーはコンパクト機らしくマクロとフラッシュのトグルが割り当てられてます。
 結論として、実機を触るまでと触ってからではかなり印象の違うカメラだと思います。最初は「見た目だけやんー。画質悪いやんー。あかんやんー」程度の評価でしたが、「うおっ!持ちやすっ!ちょい難ありやけどこれええやん!」みたいに。何より本体の仕上げに高級感があり、4 万円近く上の他社のハイエンド機と並べても遜色ないあたりに魅力を感じます。
 ただまぁ、画質を思い出すとゲンナリするんですが……。