FinePix S7000 国内発表。

 7/29 に発表されていた FinePix S602 の後継機種が国内発表。
 基本的には S602 の 1/1.7 型スーパー CCD ハニカムを同サイズの 630 万画素スーパー CCD ハニカム HR に変更し、スマートメディアスロットを xD-Picture Card スロットに置き換え、EVF の画素数が 18 万画素から 23 万画素にアップした、マイナーチェンジ機です。
 ハニカム CCD であるため実画素数 630 万画素を相互補完し、保存画素数は 1230 万画素。最大 4048×3040 と XGA が 16 枚ほど並べられるサイズです。その為保存サイズもバカでかく、最大解像度の最高画質の JPEG で実に 5MB。もはや一昔前の TIFF サイズです。このサイズを達成しているコンパクトデジカメは未だかつてありません。
 その他の仕様は基本的に S602 を踏襲しており、35mm 換算 35-210mm / F2.8-3.1 という焦点距離のわりに明るい SUPER-EBC FUJINON 銘 6 倍ズームレンズ、現在の速度重視タイプデジカメでのトレンドである位相差検出センサ*1と CCD コントラスト検出の両方で測距するフォーカスシステム「ハイスピードツインAF」などを引き続き搭載。
 引継いだものとしてイマイチ感漂うのは今回もワイド端のみのスーパーマクロ。1cm というとスゴイ響きですが、実際ズームレンズのワイド端でのマクロというのは歪曲収差がド派手に出てパースがとんでもないことになったり、また焦点距離焦点距離なのでワーキングディスタンス(被写体との距離)がとれないためカメラの陰が出来てしまいがちです。Nikon COOLPIX 5400 もそうですが、ハイエンド機なんだから数字を見せつけるんじゃなくて、焦点距離とワーキングディスタンスを考えてほしかったですね。特にこのクラスは一眼レフの代わりに買う方も多いわけで、最短撮影距離よりも焦点距離とレンズの明るさを見る人が多いわけですし。
 また S602 にあった ISO1600 モード*2が無くなり、最大感度は ISO800 になっちゃいました。ただし今回は最大感度にしても 300 万画素相当での撮影が可能になっています。ISO800 でも室内撮影くらいなら手ブレ防止に十分効果的。
 基本的に S602 が名機だったので変更点は少ないです。欠点も改善されていないのがややしょんぼりですが、レンズが変わってないのでしょうがないでしょう。
 問題は画質。第四世代のスーパー CCD ハニカム HR の画質は、これまでの採用機種を見る限り正直ダメです。S5000 などに比べるとまだマシなのですが、これはもうなんつーか、記録画素数だけで全てを稼いでいる感じ。個人的には S602 の方が断然イイです。もちろん縮小すれば話は別なのですが(フジは基本的にプリント前提の絵だし)。
 

*1:ただし最近の廉価機に採用されている中央重点測距タイプとは違い、49 分割エリア選択機能を持っています。

*2:キャンドルモード。100 万画素相当での撮影になる代わりに ISO1600 までゲインアップできる。