手ぶれ補正付きの12倍ズーム・400万画素機「DMC-FZ10」(WPC ARENA)大口径レンズは“4M/12倍/F2.8”のため――「LUMIX DMC-FZ10」(ZDNet PCUPDate)

 35-420mm 通し F2.8 という驚異的なレンズスペックと光学手ぶれ補正機能はそのままに、1/2.5 型 400 万画素 CCD を採用して大口径化した LUMIX FZ10 のレビュー×2。WPC ARENA のほうは等倍サンプルつき。
 実際に店舗で手にとって確かめてみればわかるんですが、レンズの存在感が圧倒的です。通し F2.8 という スペックと 1/2.5 型の CCD を考えればこの大きさはむしろ「あ、こんなもんなの?」と思えますが*1、やはりこの大きさは圧巻。頼もしくすら見えます。このレンズはレンズフードをつけると非常にホールディングが良くなり、ちょいと PENTAX あたりの小型一眼レフ+コンパクト広角ズームレンズ*2を持つときのフィット感に近くなります。加えて手ぶれ補正。外見で言えば間違いなくダントツのカッコよさでしょう*3
 マニュアルフォーカスに関しては、なかなか追従性がよくてイイと思いました。ただ WPC ARENA の記述にもあるように EVF の拡大率が小さく見にくいため、実際の運用ではやりにくく感じます。EVF の拡大率に関しては FZ1/2 から言われていた課題なので、ここが変わらなかったのが残念です*4。あと EVF / LCD 切替スイッチはもっと右、十字キーの近くに配置して欲しかったですね。俺の場合 EVF のぞきながらの設定はやりづらいので背面液晶に切り換えて行いますが、その切替で親指をいちいち伸ばさなければできないのはツラい。
 マニュアル露出に関してはダイヤル上で A/S/M が独立していればよかったと思います。EXPOSURE ボタンもやや十字キーから遠いのが気になりました。それ以外は全然オッケー。あと個人的には FZ1/2 でパンタグラフっぽい構造だった内蔵フラッシュが単なるポップアップ型になったのが残念。パンタグラフだとフラッシュ部のおしりを押さえる事で上向きになるため、素でバウンス撮影ができました。本格的なポートレートに使えるわけじゃないんですが、バウンスすると光が硬くならないので……。まぁバウンスがしたい人は素直にホットシューにフラッシュつけろと。
 さて画質ですが、やはりというかヴィーナスエンジンは相変わらずいい仕事をしています。解像感という点では 1/2.5 型 400 万画素 CCD を考えると秀逸。オートホワイトバランスと粒状ノイズにはやや不安が残りますが、例えば WPC ARENA の作例にあるレースクイーンの姉ちゃんの髪の毛なんかは十分満足できる描写だと思います(特にフォーカスしている左端)。色味に関しては家電系らしい色。
 総合してこのカメラは十分に「買い」のカメラです。ここまでのレンズスペックを持っててまともな解像をする絵を出力してその上手ぶれ補正まであるのに、「うわ、レンズでかっ」と引いてしまうのは勿体無いでしょう。

 

*1:一眼レフの交換レンズでこのスペックを実現しようとするととんでもないデカさと重さになります。ていうか一升瓶。重さ 1kg 以上。35mm 換算時の焦点距離は CCD サイズが小さくなるに従って短くなるため、FZ1/2 では 1/3.2 型 CCD という 35mm フィルムより遥かに遥かに遥かに小さい映像素子を採用する事で、あそこまでコンパクトなレンズを実現できたわけです。1/2.5 型 CCD だと一回り以上大きくなるので、FZ10 のレンズはむしろ妥当な大きさと言えます。「FZ10のレンズでけぇよプッ」とか言ってる人はとりあえず EF 70-200mm F2.8L USM とか AF Zoom Nikkor ED 80〜200mm F2.8D あたりの実物を見てみてください。ビビります。ていうか俺がビビった。値段見てさらにビビった。

*2:焦点距離が 72mm なのでちょうどそんくらい。

*3:「C-5050Zoom には負けるがな」と信者らしい事を言ってみるテスト。

*4:ちなみに今年発売の高倍率ズームデジカメの中で EVF の見易さでは C-7xxUltraZoom が一番だと思います。色再現性を除けば 60fps 表示で背面液晶そのままの Z1 がダントツですが。