SONY VAIO PCG-X505/P および PCG-X505/SP 発表。

 505 がまたフルモデルチェンジ。最薄部 9.7mm / 重量は P で 825g、ソニースタイル専売モデルの SP では素材にカーボンファイバー積層板を採用して 785g という世界最薄・最軽量を実現しました。当然ファンレスです。
 デザインとして特長的なのは通常のノート PC のキーボード部とパームレスト部を逆転させたようなスタイル。キーボード奥が盛り上がるような感じになっており、ここに高密度な 10 層基板が詰め込まれています。そのためポインティングデバイスはスティック式。
 その他の仕様として、アーキテクチャPentium M / 855GM でビデオはチップセット内臓、XGA の 10.4 型 TFT 液晶、メモリは 512MB、HDD は 20GB。インターフェースは USB2.0 ×2、iLink ×1、Type-II PCMCIA スロット×1。リチウムイオンバッテリでの稼働時間は 2.5 〜 4 時間。無線 LAN は PCMPIA、メモリースティックはマウスに内蔵、有線 LAN と外部ディスプレイ端子は小型ポートリプリケータでそれぞれ外付けで供給されます。ソニー直販モデルならこれにモデムカードも添付される模様。
 さて。……そろそろいい?
 必死になって重量削ってなんでもかんでも外付けして「世界最軽量でござい」とは恐れ入った! 感動した!! 腹痛い!! 笑かすな SONY !!!
 とりあえずツッコミどころが満載すぎ。Cyber-shot T1 はパクりの連発で笑えなかったけど今回のは消費者を笑わすために作ったとしか思えない。
 まずそのスタイル。これはつまり実質的にパームレストが無いってことで、「どこに手のひらを置けばいいの?」ということに。例えば喫茶店などで CF-R2 を広げた場合、作業スペースは実質フットプリントだけですみますが、X505 の場合はフットプリント+手前のパームレストに相当する部分が必要になります。これって運用ベースですでに使えないモバイルノートになりますよね。スティック式ポインティングデバイスの PC で考えても InterLink は奥行きが狭いからフットプリントの面で有利だし、ThinkPad なら立派なパームレストがあります。そもそも このキーボードは何なのかと。 MSX かと*1
 あと何でもかんでも外付けしすぎ。メモリースティックと外部ディスプレイくらいは「まぁ薄さのためだししょうがないね」ですみますが、無線 LAN・有線 LAN・モデムと言った通信系が全て内蔵ではないあたりがスゴい。特に無線 LAN にわざわざ電池喰いな PCMCIA を選択しているところに必死さが伺えます。これは本当に今時のモバイルノートなのかと。USB2.0IEEE1394 や PCMCIA スロットは標準的な実装なのでそこが救いではありますが。
 あと HDD。軽量化のために 1.8 型 HDD を採用しています。これは以前松下が CF-Rx シリーズで採用し速度面で不評だったため、ほんの少しの重さと引き換えに 2.5 型を標準装備したという経緯があります*2。他にこのカテゴリのノート(B5 ファイルサイズノート)で HDD を採用しているのは TOSHIBA dynabook SSSHARP MURAMASA MM1(通称タテマサ)くらい。メモリも 512MB 固定。メモリ固定で増設できないて。SHARP かよおい*3
 さてこれだけの軽量を果たし少なくともインパクトだけはあるプロダクトが登場したわけですが、市場での戦力があるかというと実質 30 万円という値段では正直無理でしょう。R2 との重量差は約 165〜205g。価格差は 9 万近く。冗談としては高すぎですよコレ。

*1:奥に盛り上がりがある分よけいにそう見える。

*2:CF-R2 と T2 の直販専売最軽量モデル では今でも採用されています。

*3:俺がこの日記でも以前の日記でも SHARP のノートを取り上げない最大の原因はこのクソ仕様にあります。他にもいくつかあるのですが、メモリが増設できないというのはどう考えても人に薦められないです。もちろん MT2 なんかはフツーのモバイルノートなのですが、あまり魅力を感じない。