7 台の E-1 と 7 人の男たち。


 むっ! とりゃっ! 喝っ!! ずもももも〜〜っ! 今日の更新は「某衝動買い技術の第一人者であり釣りマニアにして OM レンズ 54 本オーナーのアノ人の文体で書くんだヨ」というにゃんとろ星人の指令電波を受信したのでこの文体で行くゼ行くゼ行くゼ〜〜っ!
 いきなりの鼻息荒い文体に正直引き気味になった読者の方々がいらっしゃると思うが、俺がこんなに興奮している理由は、デジタル一眼レフ「E-1」体験講座 in オリンパス大阪心斎橋 に行ってきて、超貴重で超ためになる体験をしてきたからなのダ! というわけでこのテンションのまま早速レポートして行きたい!!
 この講習会はもともとは「E-1 とかいうデジタル一眼レフに興味あるけど実際どんなブツなのかわかんな〜い」とか「オリンパスの E-1 が気になるんだけど使い勝手とかそういうのって実際使ってみないとわかんないんだよねー」と言ったニーズに対し、実際に E-1 を使用されているプロのカメラマンによる E-1 の解説を中心とした講習会と、E-1 の実機を使用した撮影会(モデルさんと静物が題材)を通し、E-1 という最強に強まった(だけど売れていない)デジタル一眼レフを知って頂こうという、ぶっちゃけた話 E-1 の販促イベントである。なおこの講習会は 2 回目。1 回目の様子はオフィシャルレポートを参照して頂きたい。
 しかしこのイベントにはもう一つの顔がある。前述の販促イベントは午前中に行われるのだが、午後からは参加者が入れ替わって、すでに E-1 を持っている人、つまり E-1 のオーナーを対象とした講習会&撮影会になるのだ。「E-1 持ってる人が参加するんなら、販促イベントの意味ないじゃん」と思われる事だろうが、実はこの午後の部のほうが販促効果は高い。なななななんとこの撮影会では、現在発売されている ZUIKO DIGITAL レンズ全て使用できるのだ。つまり、たとえば俺が次に欲しいと思っている(が手が出ないので多分ムリな)ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 を実際にマイ E-1 に装着してモデル撮影が行える。すさまじいのは ZUIKO DIGITAL ED 300mm F2.8、あのあこがれのサンニッパフォーサーズ的にはロクニッパ)まで用意されているところだ。まぁこれは市場価格 73 万円という完全なプロ用レンズなので買えるわけではない*1のだが、なににせよ自分の持っていないレンズを自分の E-1 につけて撮影が出来るというのはこの上無い販促になる。この体験によって貯まる物欲ゲージ量は尋常ではないからだ。

 今回の参加者は俺を含めて 7 人。全員が E-1 オーナーである。つまりこの部屋には 7 台の E-1 が集結した事になる。正直言ってこの経験は唯一無二のものになるだろう。そもそも E-1 が 2 台以上出現する場面など通常ではありえない*2のに、それが一挙に 7 台なのだ。
 最初の講習会では講師でありプロカメラマンの旦昌弘先生から E-1 に関する実践的な話を聞かせて頂いた。具体的には OLYMPUS StudioPhotoshop CS による RAW 現像の違いや、先の望遠ズーム 50-200mm と標準ズーム 14-54mm による描写性の比較をした作例紹介などだ。興味深かったのは RAW 現像で、現段階では Photoshop CS よりも OLYMPUS Studio のほうが RAW 現像の精度が高い、という事実である。*3なお WindowsOLYMPUS Studio のRAW 現像速度は Photoshop CS のそれと大差なく、Macintosh 版では若干遅くなるとの事だ。
 40 分ほどの講習の後、いよいよ撮影会会場に移動することになった。

 奥がモモモモ、モ、モデルさんの撮影ブース、右手前が静物の撮影ブース、そして左側が昇華型プリンタ P-400 が 3 台設置されたプリントブースである。
 モデルさんの撮影は 3 種類の衣装を一定時間で着替え、また 2 種類のライティングを切り替えて行われた。衣装はGパン+ジャケットのラフスタイル、タンクトップ+ワーカーズボン風タイトスカートのカジュアルスタイル、そして薄いイエローのワンピーススタイル。ライティングは 1300W のスタジオ用フラッシュ 2 灯(E-1 のシンクロターミナルに接続)と、通常の蛍光灯の切り替え。なお、フラッシュによるライティング時は旦講師による推奨設定*4に露出と被写界深度を固定して撮影するため、フレーミングに専念できる。
 ここでの楽しみは! なんと言っても!! 通常使用しているっていうかこれしか持ってねぇ的レンズである ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5 以外の各種 ZUIKO DIGITAL レンズが使い放題になるという事だッ! なんか状況説明ばっかりであんまし面白くない流れだったので無理矢理勢いづいてみたッ!!
 とりあえず 14-54 で満足のいくショットが撮れた後、50-200 で顔のアップを撮ってみたり、12-24 で足が長く見えるローアングルを狙ってみたり、50mm マクロでぐぐっと近寄ってみたりしてみた。

 なお、俺は試さなかったが、サンニッパを使ったポートレートはドすごい事になる。なんせ 35mm 換算で 600mm になるのだ。室内で取れるワーキングディスタンスでは顔全体のアップがやっと。サンニッパはどんどん被写体から離れざるをえなくなり、最終的には部屋を出て廊下に設置されて落ち着いた。これでもバストショットがやっとというからすさまじい話だ。おじーちゃんたちが大笑いしながらマイ E-1 を付けている姿は微笑ましい。
 ちなみに今回の参加者 7 人のうち 5 人は推定年齢 50 歳以上の年配の方だった。この中に入るとマジメに俺が年少組だ。残る 1 人は推定で 30 台前〜中くらいお兄さんで、こういう撮影会には慣れているらしく積極的にモデルに指示を出したりトークで和ませたりしていた。俺が背景パネルの面積が狭いのでフレーミングが制限されますよね的な事を話しかけてみると、「そういう時はモデルを動かすんですよ!」とアドバイスしてくれた。他にも OM アダプタに F-ZUIKO 50mm/f1.8 を付けて撮影するなどカッコイイ兄さんだった。俺はこの兄さんから「ポートレートは話術だ」という事を学び、モデルさんにいろいろ注文をつけてみたり話しかけてみたりした。
 なお、モデルさんの写真は契約上の問題から、今のところお見せできないのでご了承頂きたい。
 さて、今回の撮影会で分かったのだが、俺的にスタジオでのポートレートは 14-54 一本だけでいい気がした。山岸伸たんも言っていたが、28mm から 108mm という焦点域と、22cm という最短撮影距離はポートレートにおいて過不足がない。被写体に話しかけながら撮るのにちょうどいいワーキングディスタンスで、いい感じに画角を変えながら撮影できる。試しに 50-200 を装着し、手ブレ対策に ISO400 まで上げて使ってみたが、結局テレ端まで使わなかった(最長で 147mm。それでも 35mm 換算で 294mm だが)。逆にポートレートで使ってみて面白かったのは 50mm マクロ。マクロレンズは別にマクロで使用しなくてはならないわけではなく、ポートレートらしいワーキングディスタンスを取って取る事ももちろん可能だ。それでバストショット〜ウェストショットを撮ってみたところ、できあがった写真が非常にシャープで驚いた*5。特にピンが来ている時はマジでドキッとする。14-54 で十分マクロ域が撮れるのでマクロレンズは要らないとか思っていたが、この描写力はむしろマクロ以外で使ってみたい。
 ただこれで 50-200 への物欲が沈静化したかといえばそうではなく、望遠レンズの持つ空間圧縮特性はやはり使っていて面白いので逆に物欲が増した。ただ俺の経済力では手が届かないので、SIGMA 55-200mm F4-5.6 DC で妥協せざるを得ないだろうが……。
 とにかく今回のイベントは物欲・撮影技術などさまざまな面で非常に有意義だった。ていうかポートレート面白っ!! すんげぇ楽しい!! ブラボー!!! イヤッハー!! ってだからテンションを無理矢理持ち上げるんじゃねぇよ>俺
【次回予告】

 OLYMPUS の中の人の話では 5 月末〜 6 月初頭には掲載される予定。

 

*1:スタッフとしてかり出されていた OLYMPUS の中の人も「まぁ話のタネに一度付けてみて下さい」と言っていた。

*2:KCD(今日チェキしたデジカメ)調査では、E-1 は俺所有のもの以外まだエンカウントしていない。

*3:Photoshop CS で RAW 現像を行いビットマップに起こすと、実際に撮影したドット位置から多少ズレてしまうという現象が発生する。検証では RAW+JPEG 同時保存を行った作例を用意し、Photoshop CS 上で現像を行った後 JPEG を別レイヤーで重ね合わせ、レイヤーモードを「差の絶対値」にすると、まったく同じの画像のハズなのにビットマップ配置の差が「線」として現れてしまう。

*4:マニュアル露出 / F18 / 1/125s / ISO100 / 4500K

*5:どれくらいシャープかと言うと、F18 まで絞った 14-54 と開放で撮った 50mm マクロとでシャープさがほとんど変わらないくらい。俺の目が腐ってる可能性はありますが。