デジタルカメラ 新製品レビュー ソニー サイバーショット DSC-F88(PC Watch)

 ツッコミ所満載のレビュー。F88 への興味よりもツッコミ入れる方が楽しいですな。

つまり、よくできた画質なのだ。画質としては、より大きな撮像素子である1/1.8インチ500万画素のP-100を使用した場合と似ているようだ。

 絵作りの方向性が T1 から P100 や W1 へ変わっただけで、この CCD とレンズの組み合わせは変わっていない。多分ノイズリダクションを緩めにしてコントラストを上げただけかと。それでもディティールのロストはかなりのものですが。
 ていうかこのダメ CCD を 1/1.8 型といっしょにすんな。

曇天モードで予想以上に黄色みが強くなり、使いにくい印象だ。曇っていても、AWBかデーライトで撮影する方が好ましいと感じる

 撮影条件を見ればプリセット曇天が適当でない事くらいすぐにわかる。光源がはっきりしない木々の下だというのに「今日は曇ってるからプリセット曇天に合わせよう」などと安直に考えているなら、それはホワイトバランスの仕組み自体を理解していないからではないのか。
 ちなみにプリセットホワイトバランスはきちんと理解して使わないと痛い目を見ます。俺の場合はとりあえずオートホワイトバランスで撮ってみて、気に入らなければプリセットから選ぶ、という感じ。ポートレートの場合は最初からプリセットデイライト(太陽光)にしたほうが色乗りが良くなっていいかもしれませんが。

晴天(左)とAWB(右)での撮り比べだが、ほとんど差はない。

 こんなピーカンでデイライト固定とオートホワイトバランスを比べている事自体間違い。これでハズしたら CASIO 以下。比較するならミックス光でやるべき。なぜやらないかはこのレビュアーがタコなのか、SONY からのアレか。

しかし逆に言えば、カップル以外の人には物足りない部分があったのだろう。良い写真を撮るにズームは必須、ではない。単焦点でも良い写真は撮れるのだが、被写体の選択範囲は、ズームがあれば広がることは間違いない。

 カップルのみんながみんなセルフポートレートで遊んでると思ったら大間違いだし、カップル以外が回転レンズで遊んでいないと思ったらそれも大間違い。このオッサンは Nikon COOLPIX 4500 などの回転レンズハイエンド機をどう考えてるんだろう。
 後半部分も言いたい事はよくわからんがとにかくすごい理屈だ。

さらにズームレンズの機構を利用してマクロも強化することが出来る。

 ズームレンズを搭載した恩恵ではなく、単にレンズを変更した恩恵。ズームレンズになればマクロが強力になるというわけではない。それより T1 のレンズを安易に使い回した結果*1レンズの明るさが 1 段落ちてしまったデメリットの方が大きいと思うが。*2
 さらに言えばワイド端限定の 1cm マクロをして「マクロが強い」と言うのはやめて頂きたい。「1cm まで近づけるマクロ」というのは、逆説的には「1cm まで近づかなければならないマクロ」とも言える。それはつまりマクロのワーキングディスタンスを確保できないことになる。ワイド端限定マクロを平気で売り文句にしているのは客を舐めてるとしか思えない。
 今の市場で本当の意味で「マクロが強いデジカメ」を作っているのは、OLYMPUSPENTAX・CASIO・MINOLTA・RICOH くらいなもん。Nikon も「ちゃんともててちゃんととれる」と E5400 はダメダメ。RICOHCaplio RX はテレマクロが弱体化しているのでちょっと数に入れたくないかも。
 何にせよ、マクロのワーキングディスタンスにしろ画素数にしろ、カタログスペックで客を騙すのはもういいかげんやめて頂きたい。家電屋体質でルックスのあるカメラしか売れない SONY ならともかく、最近は Nikon もカタログスペックに走りすぎてる。正直言って俺は「ちゃんともててちゃんととれる」を買うくらいなら COOLPIX 3700 を買うべきだと思ってます。あれは地味だけどいいデジカメ。

このあたりのアイデアはさすがにソニー

 SONYデジタルカメラのダメどころの一つがようやくまともになっただけ。アイデアがどうとかではない。
 つーかいいかげんメニューに入らなければ露出補正ひとつ満足にできないこのクソ仕様をなんとかしてくれ。画質モードをボタンで独立させるくらいなら露出補正ボタンにしてくれマジで。これのおかげで SONY で興味のある機種も一瞬で冷めてしまう。

もっともデジカメには液晶という、視野率100%で視差もなく、撮影情報も豊富に表示される優れたファインダーが存在しているので、光学ファインダーはあくまでもおまけ的存在として考えたい。

 ここは人それぞれなのでツッコミではないが、光学ファインダを使ったホールディングは手ぶれ軽減に一役買う。
 ていうかね、よく「デジカメは液晶あるんだから別に光学ファインダ要らんやん」という意見を耳にしますが、デジカメってフィルムカメラより手ぶれしやすいんですよ? しっかりホールディングせんと手ぶれするんですよ? 光量の不足する場面でのんきに液晶見てたんじゃ手ぶれしまくりですよ? わかってるんですか? それが可能な 3 倍ズームのデジカメは今のところ LUMIX FX シリーズだけなんですよ?
 「光学ファインダはおまけ」という人はどうやって手ぶれしない撮影をしているのか教えて頂きたい。もちろん ISO 50 〜 100、ノーフラッシュ、三脚無しでの話。

バッテリーとスマートメディア

 うわぉ。
 ていうかこれって決定打では。修正されました。

【追記】Nia さんも華麗にツッコミ。
 

*1:T1 のレンズとは違うものの模様。発表当時は同じ構成だったと記憶していたのだが……。

*2:ただしテレ端で F4.2 とそこそこ明るい。