焦点距離の差:その1>画角

 では実際に作例をお見せしながら説明しましょう。

CASIO EXILIM ZOOM EX-Z3.
 これは最近で最もポピュラーな焦点距離を持つ CASIO EXILIM ZOOM EX-Z3 のワイド端(ズームをめいっぱい引いた状態)の写真です。なんの変哲もない風景写真ですね。*1
 次に焦点距離の違う別のデジカメのワイド端をお見せします。撮影は三脚を使って場所は全く変えず、カメラだけ交換しています。
RICOH Caplio G4Wide.
 撮影機材は CASIO と並んでデジタルカメラ老舗メーカー・RICOHCaplio G4Wide です。
 いかがでしょうか。上の EXILIM で撮影したものより広く写せているのがわかるでしょうか。広く写せすぎてなんかいらんもん(俺の眼鏡)まで写ってますが気にしないで下さいorz。
 この違いがまさに焦点距離の違いです。具体的な数字は、

EXILIM
 35mm 相当(なんで「相当」がつくかは後で説明します)
G4Wide
 28mm 相当

 となります。 G4Wide のほうが 7mm 相当ぶん短いわけですね。
 焦点距離は短くなればなるほどワイドに、逆に長くなればなるほど望遠になります。G4Wide と EXILIM では 7mm 相当の差があり、この差が写せる広さ、つまり画角*2の差になります。
 逆にズームした状態の場合を見てみましょう。

EXILIM(テレ端)G4Wide(テレ端)
 「テレ端」とはめいっぱいズームした状態です。ズームの始まりを「ワイド端」、ズームの終わりを「テレ端」と言います。
 見て頂ければわかるように、EXILIM と比べて G4Wide のほうがちょっと望遠側が足りていません。これも二つのデジカメのテレ端の焦点距離の違いです。

EXILIM
 105mm 相当
G4Wide
 85mm 相当

 EXILIM は 20mm 相当ぶん望遠に強い事になります。
 このように、焦点距離は「どれだけワイドに、どれだけ望遠に撮れるか」を具体的な数字で示したものです。
 さて。ここで両者の焦点距離をワイド端・テレ端どちらも並べてみましょう。

EXILIM
 35mm 〜 105mm 相当
G4Wide
 28mm 〜 85mm 相当

 こうして並べてみると、冒頭で言った「ワイド端焦点距離からテレ端焦点距離までの倍率」の意味がわかるでしょうか。
 EXILIM は 105mm ÷ 35mm = 3 倍、G4Wide も 85mm ÷ 28mm = 約 3 倍。これが「光学3倍ズーム」の正体です。別に拡大率が 3 倍とかそういうことじゃなかったりします。
 ちなみに、焦点距離が 38mm 相当から始まるデジカメもあるんですが、



 EXILIM よりも焦点距離が 3mm 相当ぶん長いので、ほんのちょっと狭いですよね。
 でもテレ端までいっちゃうと、

OLYMPUS CAMEDIA C-730UltraZoom.
 こんなところまでズームできちゃいます。
 このデジカメの焦点距離は 38mm 〜 380mm 相当。つまり 10 倍です。ここ最近でカテゴリとして定着した 10 倍ズームデジカメの老舗、OLYMPUSCAMEDIA C-730UltraZoom です。
 

*1:しかも真ん中水平ぶった切りの典型的なダメ構図。狙ってやってますが。

*2:具体的な角度で言えば EXILIM の 35mm は 63.4°、G4Wide 28mm は 75.3°。この角度のぶんだけ視野があるという事になる。