E-330 発表。(デジカメWatch)

OLYMPUS デジタル一眼レフカメラ E-330 レンズキット
OLYMPUS デジタル一眼レフカメラ E-330 レンズキット
オリンパス 2006-02-25
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 あーっはっはっはっは!! やったやった! とうとうやりやがったOLYMPUS!! M.D.B.の原稿書き直さなきゃ!!!!(嬉しい悲鳴)
 というわけで、世界で初めてフルタイムライブビューが可能なレンズ交換式デジタル一眼レフが登場です。レンズキットのスタート実売は129,800円。
 一眼レフがライブビュー不可能である理由は、主にCCDやCMOSと言った撮像素子がコンパクトデジカメ用のそれと比べてはるかに大型なため、消費電力が非常に高く、また長時間の露光に耐えられないからです。その為、FinePix S3ProやEOS 20Daと言った一部の機種ではライブビューは可能ですが、いずれも長時間の使用はできませんでした(30秒などの制限があった)。
 今回OLYMPUSでは、この撮像素子の問題を「Live MOSセンサ」という自社設計の撮像素子を採用することでクリアしました。これは今まで同社のフォーサーズEシリーズに採用されてきた撮像素子であるフルフレームトランスファーCCDに比べて消費電力が半分ですみ、かつライブビュー時のノイズが低減するような工夫が施された撮像素子です。また、通常のCMOSに比べて3倍の受光面積をもっており、フォーサーズEシリーズの特徴であった広いダイナミックレンジと階調を実現しているとしています。ちなみにデジカメオタクならアノ子もコノ子も気になる高ISO感度時のノイズですが、こちらのサンプルを見る限りではE-500よりさらに低減されているように見えます。また公式サンプルを見ても、E-500に近い色調と広いダイナミックレンジを持っているようで、かなり期待が持てそうです。
 あと、このライブビュー表示時は10倍までの拡大表示が可能です。フォーサーズEシリーズはファインダの狭さが指摘されており、MFしづらいというのが一般的な評価でした(E-1は除く)。この機能は拡大したい部分を任意に指定できる電子マグニファイアが搭載したようなものですから、これでMFもかなりやりやすくなるのではないかと思われます。
 ただし、Live MOSによるプレビューでは一つ問題があります。それはオートフォーカスが使用できなくなるということ。実際、このLive MOSを使用した「マクロライブビュー」モードではAFを使用することができません*1。というのも、通常、一眼レフのクイックリターンミラーは中央部がハーフミラーになっており、その背後にある小型ミラーによりカメラの底面(E-3xxシリーズでは前面に向かって左側)に設置されたAFセンサに光を導くことで、オートフォーカスを実現している*2のですが、マクロライブビュー時はクイックリターンミラーが上がった状態(Live MOSに光を当てるためにはミラーを上げなければならない)になるため、当然AFセンサにも光が当たらず使用できないのです。
 そこで、E-330ではポロミラー光学系の最後のミラーをハーフミラーにし、そこにライブビュー専用の小型CCD*3を設置することで、ミラーが降りた状態でもライブビューが使用可能になっています。これがライブビュー時でもAFセンサが使用可能な「フルタイムライブビュー」モードです。なお、これはペンタミラーやペンタプリズムを使用したオーソドックスな一眼レフファインダでは実現が難しい、E-3xx系独特の機能だったりします*4
 これら2つのライブビュー機能は背面のボタンで自由に切り替えられます。また、ライブビュー可能であることを活用できるよう、2.5型21.5万画素のチルト可動式ハイパークリスタル液晶が搭載されています。特に横位置でローアングル・ハイアングル撮影をする際に便利な感じ。まぁ縦位置に対しては、CanonNikonで採用されているバリアングル液晶や、C-5060/7070WideZoom/Optio 33Lと同じ方式の可動型液晶を採用するほうが理にかなってそうですが、まぁアレです。ハイパークリスタル液晶の視野角を考えれば割と無問題です*5
 あとの仕様は、E-300をベースにE-500の新機能を盛り込んだような感じ。SSWFによるダストリダクションはまぁデジタル一眼レフとして当然として、49分割測光方式やハイライト/シャドウコントロールスポット、CFとxD-Picture Cardのデュアルスロット、MFブラケット機能など。またE-3xx系なのでFL-36との2灯同時発光が可能であり、引き続き室内でのポートレートに威力を発揮しそうです。あとLive MOSのおかげと思われますが、連写スピードが2.5fpsから3.0fpsへ若干アップしています。おっ、E-1と同等だ。
 操作性もE-500と共通化を図っているようで、シャッターボタン近くに露出補正ボタンが来ていたり、ドライブモードボタンとAEL/AFLボタンが右手親指が届く位置に配置されたりしています。AEL/AFLボタンはE-500より押しやすそう。もちろん液晶が2.5型なので、スーパーコンパネUI*6も引き続き採用。ちなみに測距点選択ボタンは無くなりましたが、まぁ俺自身E-500を使うようになってからはスーパーコンパネUIに頼ってるので問題は少なそう。
 ボディはアルミニウムを使用していたトップカバーもプラスティックになったようです。またE-300では今ひとつだったグリップもE-500に近い形状になり、例の突起物もなくなったようです。
 以上、駆け足でお伝えしましたが、いやいやいや。なんというか、久しぶりに技術的なサプライズで、しかもそれがOLYMPUSから出たってことで俺自身すっげぇわくわくしてます。買えるかどうかは別ですけど。自社製のLive MOSの出力する写真も画質的に問題はなさそうですし、これはなかなか面白い機種になりそうですよ。

 

*1:Live MOSからのプレビューによるコントラスト検出方式を使えばAFは実現できそうだが……。

*2:こちらのページの一番下にある図がわかりやすい。

*3:1/2.5型500万画素CCD。

*4:ただし、最後のミラーがハーフミラーであるため、ファインダ接眼部からの光が入る場合がある。対応策としてアイピースシャッターが内蔵されているが、これってなんとなくわずらわしそう。MINOLTAがこれをやっていたら、フルタイムライブビューに連動した自動開閉式アイピースシャッターを搭載してきそうだが……DiMAGE Z1/Z2のファインダ機構とか前例もあるし。

*5:つか俺の場合、これだけ視野角が広ければ可動型液晶でも不精して液晶を収納したままローアングル撮影してそう。

*6:背面液晶に表示された撮影情報(絞り、シャッタースピードISO感度、WB、画質etc)を直接設定できるユーザーインターフェース。具体的には[OK]ボタンを押下することで設定モードに入り、十字キーで設定項目を選択、ダイヤルで設定値を変更する。機能の豊富さに比例して複雑化したメニューを使用しなくても各種設定を変更できる。一見地味な存在だが、ボタン点数を抑えたコストダウンと操作性の向上を両立できるため、個人的な見解だが低価格デジタル一眼レフにおけるユーザーインターフェース革命と思っている。少なくとも、2.5型の大型液晶を採用することに、視認性の向上以外の意味を与えたという点で斬新。