E-30正式発表。(デジカメWatch)

フォトキナでモックが公開されて以降これといって音沙汰の無かったEシリーズ中級機が正式発表*1。そのモックから予想されたように、基本的に手堅い作りになっています。

OLYMPUS E-30

  • シャッター速度換算で最大5段の補正効果があるボディ内手ぶれ補正機構内蔵。新たに縦方向への流し撮り用モード「I.S.3」を搭載。
  • 4/3型1,230万画素ハイスピードLiveMOS。
  • 9種類のマルチアスペクト対応。ただしすべてトリミングでの実現で、ライブビュー時のみ可能。
  • ISO感度100〜3200。
  • SSWFによる撮像素子へのゴミ対策「ダストリダクション」を実装。
  • コントラスト検出AF(ハイスピードイメージャAF)対応のフルタイムライブビュー。
  • バリアングル可動型ハイパークリスタル液晶。2.7型23万画素。
  • 最速シャッター速度1/8000s。フラッシュ同調x=1/250s。
  • 5種類のシーンモードおよび11種類のシーンセレクト。
  • 全点ツインクロスセンサーで11点測距のAFシステム。測距可能な最低輝度は-2EV。またE-3で不満噴出だった十字キーによるダイレクト選択も可能に*2。さらに±20ステップで20本ぶんのレンズを記憶できるAF微調節機能も搭載。
  • ライブビュー時の測距点もE-420/520に引き続き11点。また顔認識も搭載。
  • 連写速度は5fps。バッファについては記述確認できず。
  • 画像処理エンジンはTruePic Turbo III+。いわゆる「階調オート」(SAT)とは別に、ダイナミックレンジが改善されている。
  • 多重露光に対応。ライブビュー時前回撮影分を半透明で表示して後続を撮影することが可能。撮影済みの画像はRAWのみ対応。
  • 98%視野率・倍率1.02倍<のペンタプリズム使用一眼レフファインダ。視野率はE-520以上E-3以下、倍率はE-300以上E-3以下といった感じ。フォーカシングスクリーンは「固定式」となっているが、実はサービスセンター対応で方眼の入った「FS-3」と交換できるため、実質的にE-3と同じ「交換式」。なぜ表記を変更したかは不明。
  • 電子水準器を搭載。水平方向だけでなく仰俯角に対しても機能。ファインダ内・コンパネ内・ライブビュー画面内それぞれで表示可能。
  • AEは49分割デジタルESP測光。ハイライト/シャドウコントロールも引き続き採用。撮像素子測光については記述が見あたらない。
  • プリセットホワイトバランス8種。ワンタッチホワイトバランスは1種類記憶に。マニュアル指定は2000〜14000Kで指定(記憶はひとつのみ)。A-B軸/G-M軸の±7ステップで補正可能。WBブラケットも実装。
  • 仕上がりモードはVIVID・FLAT・NATURAL・モノトーン・PORTRAITが追加。それぞれ彩度・コントラストのカスタムが可能。
  • SAT(シャドウ・アジャストメント・テクノロジー)による「階調オート」を引き続き搭載。ただし適用強度は選べない模様。また顔認識と連動する「フェイスバックコントロール」も搭載。
  • 画像に対し撮影段階でさまざまな効果を付与できる「アートフィルター」が搭載。6種類。Canonのピクチャースタイルというよりは、PENTAXのデジタルフィルタを撮影時に適用できる、といった方が近いようだ。
  • 内蔵フラッシュ(GN=13)。ワイヤレスフラッシュシステムのコマンダーとして使用可能。
  • 外部フラッシュ使用で1/8000sのFP発光が可能。また4チャンネル3グループまでのワイヤレスフラッシュシステムも構築可能。
  • 使用ストレージはコンパクトフラッシュxD-Picture Card
  • 使用電池はBLM-1。別売りの縦位置グリップHLD-4はE-3と共通。撮影可能枚数は現時点で不明。

フォトキナんときの妄想で当たってたのは14-54mmの改訂、デジタル水平計、正方形モードあたり。逆に静音モードや動画対応、SAT適用強度設定は外しました。
さておおよその印象としては、ところどころ弱体化しながら軽量・小型化し、ライト層にウケを狙った機能と画素数、ハイスピードイメージャAFと電子水準器を追加したE-3、といったところです。スタート価格149,800円。E-3の最安値が13万円台前半である事を考えると、E-3から足したり引いたりしたものにどれくらい価値を見いだせるかで購買意欲が決まるような感じでしょうか。逆にじっくり検討できる機種と言えなくもないです。E-3を持ってる人は別に買わなくてもいいかなー?といった感じ。
ただまぁ、個人的にはE-3で不満に感じていた部分のほとんどが放置されている*3ので、正直言って食指が伸びません。ただ電子水準器は非常に欲しい機能ですね。
この機種は「E-3とE-520の間にあったラインアップを埋める」というミッションについては十分役目を果たしているのですが、肝心の新機能がどのターゲットユーザーを想定して実装されたのかが理解しにくい。一番の売りとしている「アートフィルター」は女性ユーザーに向けての機能とされていますが、Eシリーズで女性ユーザーが増えたのはE-410/420からの小型軽量機種ユーザーなので、ぴこていこくのはしゃさんもおっしゃってる通りまだ見ぬE-430に搭載するのが正解の機能であるはずです。
あ、そういえば今回ヤケクソなくらいバリエーションの多いマルチアスペクトですが、「3:4」って要するにハーフカメラですよね。つまりPEN。

 

*1:タイトルが「E-3正式発表」になってました。うわ痛恨。ご指摘ありがとうございました>11/6 20時代に拍手してくれた人

*2:つかE-3もファームウェアアップデートで対応できませんかこれ。

*3:[MENU]ボタンの位置、[LV]ボタンの位置、LV運用を全く考慮していないリモコン窓位置、電源スイッチの位置、サブダイヤルの位置、などなど。E-3の操作系は実際に撮影する際の「指の動線」を考慮した練り込みが足りない。E-30も同様。