上位モデルをも超える性能を持つデジタル一眼レフ「D70」(デジタルARENA)

 ASAHIパソコンの文月たん連載第1回でも語られた Nikon D70 のレビュー。
 俺は Nikon DIGITAL LIVE 2004 のレポート以来 D70 についてきちんと話してませんでした。ていうか俺が話すまでもないからです。それくらい完成度が高い。逆に言えばつまらねぇくらい良くできたカメラです。今のところ「デジタル一眼何がいい?」と聞かれたら「んー、E-1 D70 かなー」と答えますわ。
 んでそれだけじゃ面白くないので、あえて難癖をつける為にちまたで言われている難点を挙げてみましょう。

  • 縦位置グリップがない。
  • シンクロターミナルが無い。
  • 初期ロットのいくつかにはファインダが傾いたものがある。
  • 高速シャッター時にスミアが発生する。
  • JPEG 撮影時のモアレ発生率が高め。
  • 高速シャッター時に色むらが発生する。
  • AF が(Canon などに比べて)遅い。

 個人的に気になった点から列挙してみましたが、完全に致命的と言えるものは無いかなと。縦位置グリップが無いのはポートレート派には多少問題かもしれませんが、まぁ縦位置が全く出来ないわけじゃないので。バッテリの増強手段として欲しいなら話は別ですが。あとシンクロターミナルに関しては外部フラッシュを分離して設置出来ないため、外部ストロボ撮影のススメのような撮り方が出来ないのですが、これもまぁスレーブフラッシュ使うなどいくつかやりようがあります(もちろん通信できるフラッシュとでは話が違いますが)。
 次の4つがよく言われている「D70 の欠陥」。ファインダの傾きに関しては製造上の問題でこれは責められて然るべきでしょう。ただ修理に出せば迅速に対応してくれるみたいです。高速シャッター時のスミアは基本的にどんなデジカメでも発生しうる仕様*1なので、特に騒ぐ事でもないかなと。ていうか D70 で発生するスミアなんて ND フィルタをつけずに絞り開放で太陽入れつつ撮る時くらいしか無いし。
 あとの2つに関してですが、dpreview のレポートをご覧になって頂ければわかるでしょうが、モアレは確かに発生していますし色むらは 1/8000 秒の時に発生しているようです。モアレは RAW 現像では発生しないらしいので JPEG 生成アルゴリズムの問題かと。ファームアップに期待。また色むらは 1/4000 秒までシャッタースピードを上げれば回避可能のようです。1/8000 秒という数値はカタログスペックになるのが残念ですが……。
 AF の速さに関しては Canon の方が確かに一枚上手ですね。この速さがコンパクトデジカメにも来て欲しいところなんですが……。
 以上、D70 の難癖つけでしたが、まぁファインダ問題を除けば通常の撮影ではよっぽどの事が無い限り問題が無いかと思われます。えーっとえーっと、要するに D70 を擁護したいがためにあえて欠点挙げてみましたコーナーでした。

 

*1:通常 1/2000 秒を越えるシャッタースピードを達成するためには通常のシャッター幕を使用したメカニカルシャッターではなく、CCD の受光を電気的に止める電子シャッターが使用される。ところがあまりにも強い光が CCD に当てられた場合、電子シャッターでは受光を完全にはストップ出来ず、CCD に蓄積された電荷が信号伝送路に流出してしまう。これがスミアの発生原因。そのためスミアは必ず伝送路の方向に流れる。このスミアを防ぐために CCD には改良回路(アンチブルーミング)が装備されているが、高速シャッターの可能なプログレッシブ CCD (D70 に搭載)やフルフレームトランスファー CCD (E-1 に搭載)には組み込む事が出来ない。