α300/350 国外発表(デジカメWatch)

 E-330のアイデンティティが崩壊した日。
 逆に考えるんだ。日進月歩で向上していくこの技術志向のカメラ業界において、E-330に他社が追従するのにまる2年かかってしまった*1んだと考えるんだ。
 
 てなわけで、SONY α300/350でございます。上のオリにケンカ売ってんのかお前的リンク先を見ていただければわかりますが、撮影用のイメージセンサとは別にアイポイントの上部にライブビュー用のイメージセンサを用意しています。ライブビュー時には一眼レフファインダの光学系を動かし、ライブビュー用のイメージセンサへの光路を作ることで、フルタイムのライブビューを実現しています。この方式をSONYでは「Two Sensor」式の「Quick AF Live View」と呼んでいるようです。
 この「Quick AF Live View」の最大の特徴は、ライブビュー時にクイックターンミラーが下がった状態であるため、位相差検出による高速なAFが常に可能であることです。
 OLYMPUS*2CanonPENTAXデジタル一眼レフで実現しているライブビューではミラーが上がった状態なので、AFを駆動させるには一度ミラーを落としてミラーボックス下部にある位相差検出センサへの光路を作ってやる必要があります(いわゆる「パタパタAF」)。そのため、ピントあわせに時間がかかる・シャッターユニットに負担がかかるなどのデメリットが発生します。また、PanasonicNikonのライブビューは撮影用イメージセンサーを使用したコントラスト検出AF、つまりコンパクトデジカメと同じ方式であるためパタパタAFは発生しませんが、ライブビュー可能なレンズが限られていたり、動作が遅かったりといった制限があります。
 既存の機種では唯一、上に書いたOLYMPUS E-330では今回のα300/350と同様にライブビュー用のイメージセンサを使い、常に位相差検出によるAFが可能でした。非常に先進的であり、今までは唯一無二の存在でしたが、E-330ではこのライブビューの実現にポロ光学系を採用しているため、一般的なペンタ部のある一眼レフからは大きく離れたデザインになってしまっていました。もちろんデザインそのものは特に悪くはないはずですが、「ペンタ部がない」という時点で異端の目で見られていたのは確かです。
 そして今回、α300/350では「ペンタミラーの一部をかたむける」というギミックでペンタ部がありながら高速AF駆動が可能なライブビューを実現してしまいました。してしまったのです!! なんてこった!!!
 
 ……いやね、ぶっちゃけこれに似たギミックは2chOLYMPUS系のウワササイトやdpreviewの掲示板などでさんざん出てたんですよ。E-3発表前に。そしていざフタをあけてみたら既存のライブビューそのまんまでしょ。確かにバリアングル液晶は便利だし、俺自身E-3のライブビューには特に不満は無いんだけどさ、コレ見ちゃったらさ、オリあんたらは今まで何やってたのと思っちゃうんですよ。コントラスト検出では同じ4/3のパナにおいてかれたし、撮影用センサによる測光を実現したキヤノン静粛性*3をもってかれたし……。結局Eシリーズ第2章とか言いながら基幹技術であるライブビューで負けてるなんてねぇ。
 
 さてさて! オリオタの生産性の無い愚痴はおいとくとして! ところで、dpreviewに掲載されている断面図ってどこかで見たギミックに似ていませんか? 「光学系の一部を傾けて」「光路を変更して」「ファインダと液晶を切り替える」「あとαはもともとMINOLTA」といったキーワードから出てくるのは! そうです、MINOLTA DiMAGE Z1です!! ていうかこの図です。なんだよこれそっくりジャマイカ。ていうかこのギミックのスピリットそのものがとってもミノルタ的じゃマイカ。そう考えると悔しさ半分うれしさ半分です。ここに生きてた、ここに生きてたよミノルタ
 ただまぁ、このギミックってペンタプリズムじゃ実現できないけどなとは言っておきます。つまりα900は……いやいやSONY、いやここではあえてMINOLTAと言わせてもらうが、彼らが上位機種に工夫を凝らさないはずがないでしょう。ねぇ!?
 
 てなわけで! ロクにスペックとか言及しませんが!! 俺的にすげぇうれしかったので今年初の更新です。あとPMAラジオ多分2日にやります。詳細はあとで。
 ちなみに現在はLUMIX FX35と4/3用SIGMA 10-20mmが気になってます。広角広角ゥ!

 
【追記】
 公式キタ。やはり日本ではα350のみ発売する模様。スペック表から読み取れる今回の方式におけるウィークポイントは「視野率90%」(ちなみにE-330は視野率92%)。撮像素子がCCDなので撮影用イメージセンサによるライブビュー(E-330におけるBモード)は使えず、視野率100%のライブビューで高速なAFを実現しているのは今のところLUMIX L10ということになります。
 ……いや、そこはCMOS載せてA/Bモード併用にしようよSONY。そうしたらE-330の後継機種として君臨できたのに*4

 

*1:しかも撮影用イメージセンサはCCDなのでBモードはおそらく無し。つまり、A/Bモードをどちらも兼ね備える機種はいまだにE-330のみ(これをアイデンティティとするなら、まる2年たってまだアイデンティティを保持しつづけるE-330は偉大な機種といえる)。α300/350の詳細なスペックやライブビュー用イメージセンサの仕様はわからないが、MF時にx10といった拡大率を実現するのは難しそうだ。

*2:当然E-330を除く。

*3:ミラーの小さい4/3は、他のAPS-Cタイプやフルサイズタイプのデジタル一眼レフよりも静粛性が高い。

*4:「オリの後継機で君臨とか言うな」禁止。