PEN F DIGITAL(?)(dpreview)
これこそ正解のマイクロ4/3ですな。もうまったくの正解です。LUMIX G1? あーはいはいそんなのもあったね的な。
まじめな話、PanasonicがLUMIX G1を出した瞬間にいろんなところから落胆の声が上がっていたわけで、俺もその一人でありガッカリだったわけです。んで、OLYMPUSなら、PEN Fを作ったOLYMPUSなら必ずやってくれる……!と信じてフォトキナを待っていましたですよ。そして出てきたのがこのサイズ。このフォルム。E-400/410/420以降のOLYMPUSがきちんと正しい方向性に向かってきた証左と言えましょう。
実際、RICOH GR DIGITAL以降久し振りにハイエンドコンパクト市場が再燃していたわけです。CanonがPowerShot Gシリーズで、NikonがCOOLPIX Pシリーズで、PanasonicもLUMIX LXシリーズで、RICOHがGR DIGITALシリーズとCaplio GXシリーズで、SIGMAがDP-1で盛り上げていたところ、かつてCAMEDIA C-x0x0Zoom/WideZoomシリーズでハイエンドコンパクトの覇権を争っていたOLYMPUSが新製品を投入してこないのは疑問ではありました*1が、これで疑問が解けました。つまりマイクロ4/3があったからなんですね。デジタル一眼レフのサブに使えるコンパクトが、アダプター経由とはいえ4/3レンズも使える。これはすばらしいことです。
さてさて。直接ライバル機になるであろう各社のハイエンドコンパクトとLUMIX G1、そして今回発表されたマイクロ4/3コンセプトモップのサイズについて、撮像素子サイズ順に並べてみました。
機種 | 幅(W) | 高さ(H) | 奥行き(D) | 容積 | 素子サイズ |
---|---|---|---|---|---|
DP-1 | 113.3 | 59.5 | 50.3 | 223.1 | APS-C |
PEN F DIGITAL(?) | 120 | 65 | 32 | 217 | 4/3型 |
LUMIX G1 | 124 | 83.6 | 45.2 | 252.8 | 4/3型 |
LUMIX LX3 | 108.7 | 59.5 | 27.1 | 195.3 | 1/1.63型 |
GX200 | 111.6 | 58.0 | 25.0 | 194.6 | 1/1.7型 |
COOLPIX P6000 | 107 | 65.5 | 42 | 214.5 | 1/1.7型 |
PowerShot G10 | 109.1 | 77.7 | 45.9 | 232.7 | 1/1.7型 |
GR DIGITAL II | 107.0 | 58.0 | 25.0 | 190 | 1/1.75型 |
それぞれ仕様表からもってきた数値で、突起物などは含みません。また容積は寸法から単純計算したものなので、たとえばCOOLPIX P6000の容積はこの数値よりももっと少なくなるはずです。
こうして表にしてみるとRICOH2機種の小ささが際だちますが、それはともかくPEN F DIGITAL(?)はCOOLPIX P6000よりも大きく、PowerShot G10より小さいことがわかります。また直接のライバルになるDP-1よりも幅・高さでは上回り、奥行きで下回っています。ただしDP-1の奥行きはレンズ込みの数値と考えられるので、実際にはもっと薄いと考えられます。つまり、レンズ込みの寸法ではDP-1より上回っているのです。ただし、このPEN F DIGITAL(?)はレンズ交換ができるので、マウント部の強度確保を加味する必要があります。あとDP-1のレンズは半沈胴型なので、撮影時の奥行きはさらに大きくなります。
なお、おそらくボディ内手ぶれ補正機構は積んでいません。Eシリーズの手ぶれ補正機構はSSWFパッケージごと駆動させる必要があり、周辺に相当広いマージンが必要になるからです。またこの厚みも、手ぶれ補正機構を保持するだけの余裕はなさそうです。
とはいえ、かなり明るい未来を思わせるモックアップであることには変わりありません。容積ベースでは、並のハイエンドコンパクトより小さいマイクロ4/3ボディなのですから。LUMIX G1と同時に発表されたレンズロードマップとあわせ、これはwktkが止まらないカンジになってまいりました。
【捕捉】どうも俺の考える「PEN F DIGTIAL」は誤解を受けるようです。俺がこのモックを「PEN F DIGITAL」と呼ぶのは、「デジタル一眼レフユーザーにおける最強のサブカメラ(オリンパス製でかつシステムが組める)」としてかつてのPEN Fを想像させるからです。EOS 1Ds MarkIIIユーザーもD3Xユーザーもα900ユーザーもそしてもちろんE-3ユーザーも、みーんなサブにマイクロ4/3を使ってる、というのが理想の状況。だから上に挙げた想定ライバル機は全部ハイエンドコンパクトなんです。
なので、俺的に光学ファインダがないとかロータリシャッターじゃないとかポロミラー光学系じゃないとか、そういう本質的じゃない話は心底どーでもいいです。俺がこのモックに期待するのはそういう低次元の話ではない。
*1:SP-570UZが高級感を演出してハイエンドコンパクトセグメントに入ってきていたが、あくまで高倍率ズーム機のプレイヤーだった。