ノーフラッシュ撮影のススメ。

 この日記ではあまり内蔵フラッシュについての話をしませんし、内蔵フラッシュを焚いた写真を掲載したりしてませんが、それは俺がコンパクトカメラの内蔵フラッシュを全く信用していないからです。ていうかキラい。
 内蔵フラッシュは当然ながら本体に固定されているものなので、完全に光源が固定されます。これを「ダイレクト発光」とか「直接照射」とか言ったりします。特にポートレートでの話ですが、このダイレクト発光で撮った写真はおにゃのこの顔をのっぺりさせたり、ハレーションを起こさせたり、逆に不必要な凹凸を浮かび上がらせたり、妙な影を背後に作ったりと、非常に不自然な写真になります。俺はこういう写真を「貧乏くさい絵」と表現してますが、つまるところこれは「強い光源方向にレンズがある弊害」です。
 下は以前フィギュアを使って実験したものです。左が「室内光のみ」で、右が「ダイレクト発光」で撮影したものです。
 
 使用機材はフラッシュがヘボいともっぱら評判の Caplio G4Wide ですが、どっちがいいかは一目瞭然でしょう。−−→【追記】もうちょっとマシな写真をアップしました。
 一眼レフなどで使用される外部フラッシュを見たことがあるでしょうか。多くの場合は頭の部分が可動式になっていると思います。この頭を上に向ける撮影方法が「バウンス撮影」です。これはフラッシュの光を室内の壁に向け、その壁からの反射光を被写体に回すことで柔らかい光を人工的に作ることができるわけです→【参考】 / 【参考2】
 しかし内蔵フラッシュではバウンス撮影などできません*1。コンパクトカメラに内蔵された固定フラッシュは各種シンクロ*2と手ぶれ補正代わり*3くらいにしかならないわけです。
 もちろん本格的な暗所ならシャッタースピードを稼ぐためにフラッシュは焚く必要はありますが、少なくとも俺自身はフラッシュ焚くくらいならいさぎよく ISO 感度を最高にします。ゲインアップノイズで荒れた画面のほうがフラッシュを使った貧乏くさい絵より遙かにマシだと思うからです。最後の最後まで「内蔵フラッシュを焚く」という行為に抵抗したいくらい*4
 カメラを知る人はフラッシュを使わないよう努力します。そしてカメラをもっと知る人はフラッシュを効果的に使います。とりあえずここ2年ほどでデジカメオタになった俺の場合は、フラッシュの設定を「発光禁止」にして使っています*5

【補足】
 基本的にこのサイトで撮っているフィギュア写真は三脚使用です。その為シャッタースピードが 1/3 とか 1/2 秒でもブレずに撮れています。手持ちで撮影する場合は ISO 感度を出来るだけアップしてシャッタースピードをかせぎましょう。
 またライティングには室内灯そのままの光源を使っていますが、出来るだけ被写体輝度を上げるため卓上ライトやレフ板などでのライティングをおすすめします。あと露出補正をマイナスにして露出アンダーで撮り、後でレタッチソフトでトーンカーブを持ち上げてみるのも一つの方法です。
 さらに手持ち撮影の場合は構え方も工夫が必要です。脇をしめて肘を固定。マクロの場合、EVF が使える機種なら接眼してフィルムカメラと同じように構えるのがベスト。またマクロ撮影ではレリーズショックもかなり影響しますから、静かにレリーズボタンを押しましょう。手ぶれだと思っても実際はレリーズショックだったってのはよくある話。PENTAX Optio S シリーズなどレリーズボタンが押し込みにくい機種の場合や、どうしてもレリーズショックを起こしてしまう場合は、セルフタイマー*6を使用するか、使えるならリモコンを使うという手もありますね。
 めんどくさい話ですが、被写体を綺麗に撮るためには多少のセッティングは必要ってわけです。三脚+セルフタイマー or リモコンだけでも手持ちより遙かに綺麗に撮れますので、ぜひお試しを。
 なお、Panasonic LUMIX FX シリーズやファームアップしていない FZ1*7SONY Cyber-shot P / U(40 を除く) / F77 / T1 などのフルオート系、CASIO EXILIM ZOOM シリーズ*8などではシャッタースピードを 1/8 秒より遅くできません。その為ライティングの工夫は必須と言えます。

 もしお手すきなら「マクロのワーキングディスタンス」「光のあて方を変えてみる」「画素数≠画質」とかもご覧下さい。

 

*1:例外として LUMIX FZ1/2 と LC1、Leica DIGILUX2 の内蔵フラッシュでは可能、

*2:フラッシュ大嫌いな俺は日中シンクロするよりレフ板持ち歩け(゜Д゜)ゴルァ!!な人ですが。

*3:フィルムカメラの時代は「色温度を調節する」という役割もあったのだが、デジカメの時代にはホワイトバランスで調節が可能。

*4:そういう意味で PowerShot S30 は最高の機種だった。ISO800 でも荒れ方がひどくなかったし。

*5:以前も言いましたが携帯電話のカメラが普及して良かった事の一つは、多くの一般人がノーフラッシュ撮影の良さを知った事だと思ってます。……まぁ最近の機種はついてますけど。AF 補助光みたいなやつ。

*6:タイマーが 2 秒設定できる機種だと楽でいいです。

*7:ファームアップ後の FZ1 や FZ2 では絞り優先 AE かシャッタースピード優先 AE に切り替えることで 1/8 秒制限が無くなる。またこの両 AE モードではマクロへの切り替えナシでレンズ前 10cm まで接近できる。

*8:ベストショット→「夜景を写します」にすると 1/8 秒リミットが解除され、かつマクロも使用できるため対処は可能。(Thanks!>EX-Z3 持ちの翠

トレース台をつかってみる。


 以前変人窟のたびさんがやっておられた「下からライトを照射する」ってのを俺もやってみました。昔使ってたトレース台で。
 被写体にはこういうのに似合う VAMPIRE のキャラをチョイス。ザベ子のギターが外れてますがキニシナイ!(・ε・;)
 
 綾波もみょーにハマってますな。

 

CAMEIDA C-760UltraZoom 触ってきました。

 第1印象:小さっ!!!
 とにかく小さいです。びっくりした。去年「小さくなったなー」と思っていた C-74x/75xUltraZoom よりもさらに一回り小さいです。横幅 3mm、縦 6mm しか違わない上に奥行き 0.5mm 厚くなっているですが、見た目の印象では数字以上に小さく感じます。*1。ただし今回小型化のために電池が単3電池ではなく専用電池になったのがちょっと痛いです。リチウムイオン充電池は携帯性を重視したカメラでその異議があるものですし、「写真撮りに行くゼ!」と気合を入れて持っていくときのカメラ(いわゆる「ハレ」のカメラ)には単3電池での運用にこだわって欲しかったです。OLYMPUS といえばその昔かたくななまでに単3電池にこだわってたメーカーだったんですがねぇ……。
 次に目に付いたのはやはり液晶。今回は 1.8 型で 11.8 万画素と比較的大きくて高精細な液晶を搭載しており、これがなかなかいい感じです。LUMIX FZ10 や Allegretto M700 などに搭載された 2.0 型より小さいですが、ボディサイズが小さいので相対的に存在感が大きくなります。フレームレートは体感ですが 60fps じゃないでしょうか。
 EVF も 18 万画素から 24 万画素に増え、倍率も大きく見やすいです。さすがに DiMAGE A2 などに比べると見劣りしますが、このクラスとしては上出来かと。ただし EVF 内でメニューをいじれないのはちょっと不満かも。
 操作系がやや簡略化され、マクロがメニュー内に入ったのはやや不満ですが、そのかわりマクロ項目にスーパーマクロが来たのがいい感じ。マクロ項目自体「撮」メニューの上のほうに来ているので比較的アクセスしやすいです*2
 あと細かいとこですが、ボディの高さが低くなった分フラッシュのポップアップが高くなり、C-74x/75x と比べてもレンズとの相対位置が変わっていないのがイイですね。相変わらず手動ポップアップなのも好印象。フラッシュは出来るだけ焚きたくないものですし。

 

*1:ちなみにその前の C-730UltraZoom と比べると横幅 3mm、縦 16mm、奥行き 9mm 小さくなっています。

*2:以前のスーパーマクロは「撮」メニューの末尾に近いところに設置されていた。