Xacti DSC-J4 発表。(PC Watch)

 「デジカメ」という単語を商標として登録し、デジカメメーカーの老舗にして動画デジカメの雄、業界の裏ボス*1ともいえる三洋が新作をリリース。Xacti J1/J2 の後継機種です。

  • 1/2.7 型 423 万画素 CCD。有効 400 万画素。
  • 35mm 換算時焦点距離 37-104mm / F2.8-3.9 の 2.8 倍ズームレンズ。恐らく J1/J2 から継承。
  • 最大 640×480@30fps の音声動画撮影機能を搭載。ただし転送速度 10MB/s の SD メモリーカードを使用した場合のスペック。コーデックは QuickTime(おそらく MotionJPEG)。
  • レンズ前 2cm のマクロ。ただしワイド端のみ。レンズが繰り出さない為本体で影が出来やすく、屋内で使用できるシーンは限られると思われる。またテレ端ではレンズ前 30cmで、実はマクロモードに入らなくてもフォーカスが合う。
  • ISO 感度は 50 〜 400。
  • 起動は 0.8 秒。J2 よりわずかに速くなった。
  • AF 補助光を新たに装備。
  • 記録画素数を 800 万画素相当まで引き伸ばせる「ピクトライズ800」機能を搭載。
  • 1.8 型微反射 a-Si TFT カラー液晶を搭載。8.5 万画素。フレームレートは 60fps。
  • 電源はリチウムイオン充電池
  • 記録メディアは SD/MMC。
  • PictBridge に対応。
  • ボディ寸法は 101(W)×46(H)×26(D)mm で、高さ 46mm はズームレンズ搭載デジカメとしては最も低い数値。また自分撮り用ミラーも搭載した。
  • シルバー・ミッドナイトブラック・ミスティーピンクのカラーバリエーションを用意。

 とりあえず 1/2.7 型 400 万画素 CCD という文月たんが聞いたら SONY に殴りこみに行きそうな画素ピッチの CCD はひとまず置くとして。そろそろ三洋の「動画に強い」という印象もやや薄れてきた感があります。DSC-MZ3 時代ならともかく*2、この 640×480@30fps というスペックはすでに DiMAGE Z1 や Cyber-shot シリーズなど多くの機種で達成されているからです。これは SONY 製 1/2.7 型 300/400 万画素・1/1.8 型 500 万画素・2/3 型 800 万画素 の各現行版 CCD がこの解像度・フレームレートの動画に対応しているからだったりします。
 動画以外の機能にそれほど特筆するべきものがないのが最近の三洋のデジカメの難点。Xacti C1 は確かにその奇抜なフォルムと、「動画撮影中に 300 万画素のフルサイズで写真が撮れる」という非常に大きなアドバンテージがありましたが、この機種に関しては今ひとつ売りが少ない気がします。
 ただデザインはなかなかいいですね。黒いし。また J1/J2 でさんざん指摘されていたモードダイヤルでの電源 ON/OFF による暴発の危険性は、レンズバリア式に戻った*3ことで解消されました。

 

*1:三洋は NikonOLYMPUS などのメーカーからの委託生産を一手に引き受けていた。最近では各メーカーが海外に工場をつくった為シェアは低下してきていると思われるが。

*2:DSC-MZ3 が支持された理由はこのスペックだけでなく、その動画をマイクロドライブに保存できたことが大きな理由と考えられる。販売員現役時代、DSC-MZ3 をお買い上げのお客様を接客していた他メーカーのおにゃのこが、マニュアルどおりに「メモリは CF になりますねー。ポイントでしたら 64MB くらいのがおつけできますが……」と言っていたのを、相手のお客様がニヤニヤしながら聞いてるのを見つけ、慌ててマイクロドライブ持っていってフォローした覚えが。お買い上げはされなかったんだけども(もっと安い値段でマイクロドライブが欲しかったらしい)。

*3:三洋はマルチーズ時代主にレンズバリア式だった。