久しぶりぶりのメーカー別独断分析。

Canon
 KISS D 続投でややピンチに。コンパクトも今ひとつパッとしないような……。
 EOS KISS DIGITAL に関しては今から買うなら Welcome キット。D70 と同じ値段で焦点距離 300mm クラスまで用意できる。とにかくレンズ交換システムの恩恵を体験したい人はこれ。個人的にはこれ以外に KISS D を選ぶ理由が見当たらない。
 PowerShot Pro1 と PowerShot S1 IS は操作性が肌に合えば買う価値あり。ただしどちらも望遠レンズなのに合焦時に EVF がフリーズするので、AF が迷う距離で使う場合やスポーツ撮影には覚悟が必要。何度でも言うが手ブレ補正は万能じゃない。S1 IS はレンズの描写性にクセがあるっぽい。
 コンパクトでは PowerShot S60 が期待どおりの仕上がり。S30 から続く S 系のあの操作性の悪さが抜本的に改良されている。起動も早くなった。ワイド端で四スミが流れる現象さえ我慢できればかなりイカす。あとは IXY DIGITAL 450、PowerShot A75。ともに値段と性能のバランスが良く投資に値する。
CASIO
 弾はそろえた。後は実力だ。オートホワイトバランスさえ使わなければ最高のスタイリッシュコンパクト。
 EXILIM PRO EX-P600 は 1/1.8 型 600 万画素クラスとしては画質が良く、また操作性も練られている。シャッタースピード 1/8 秒制限やオートホワイトバランスの不安定さなど幾つか不安要素はあるものの、600 万画素コンパクトではトップクラスだろう。ちなみにサービスメニューで RAW が撮れるようになる。
 俺が注目しているのはどっちかというと EX-Z40 のほう。電池のもちとか画質とかいろいろ地道に欠点をつぶしてきているのがイイ。欲を言えば液晶の画素数アップとメニューの抜本的な改善が欲しいところ。
FUJIFILM
 F440/F450 は割と見掛け倒しっぽい。
 現状でオススメできるカメラは FinePix F710 しか無い。どれもこれも画質悪いし電池持たないし操作性悪いしどないやねんと。強いて言えば A340/330 はフツーでいいかナ。液晶イマイチだけど。
KONICAMINOLTA
 技術屋魂。
 DiMAGE A1/A2 に関しては技術力の勝利というかそんな感じですが、画質に関しては人を選ぶカナと。いや画質が悪いわけじゃないんだけど、例えば DIGIC の絵に慣れた人なら拒絶反応しそうな感じ。「ノイズ=悪」の固定概念があるのならオススメしかねる。ただし性能はピカ一。ある意味では PowerShot Pro1 の対極に位置する。
 DiMAGE Z1/Z2 に関しては逆で、性能も画質もおおよそ万人向けでかつ挙動が速いので誰にでもオススメできる。欠点らしい欠点はやや迷ったり外しがちな AF とそのボディデザイン。ただ S1 IS のデザインが受け入れられて Z1/Z2 が受け入れられないのが不思議だ。
 DiMAGE X21 は引続きオススメする 200 万画素機。屈折光学系の宿命である遠景の弱さ(無限遠でシャープさが無くなる)という欠点はあるものの、レスポンスや電池のもちなどは 2 万円以下のデジカメとは思えない。特にマクロは最強。あとフラッシュの位置がレンズ横で遠い位置にあるため、マクロフラッシュが効果的に使用できる*1。ただし X20 からは幾つか弱体化しているのでお得感は減っている。
 G400 はオススメ度高いですが逆に G600 はオススメできません。理由はさんざん言ってきましたがその最悪な操作性。くれぐれも KD-500Z 厨にそそのかされないよう。
KYOCERA
 とりあえず京セラはデジカメで培った技術をきちんと携帯電話にも反映させるべきだと思います。京セラのユニットは画質悪いんだよぅ。
 Finecam M400R/M410R は無難な出来。グリップもそこそこ効いてるし重さもかなり軽いし、なにより AF が速く AF 連写も実用的な速さなのがイカす。CR-V3 使えるのもイイ。個人的な不満は露出補正ボタンと十字キーとの間が遠いことと、EVF がちょっと小さいこと、そして id:yama-s さんもおっしゃってるように地味でアッサリな色味。あとパープルフリンジの多さなど主に画質面。なんつか、RTUNE がいい仕事してるのにレンズが台無しにすると言う PowerShot G5 みたいな傾向。
Panasonic
 なんかコンパクトのラインアップ停滞してますがまたなんか作ってますか松下さん。
 LUMIX FX1/FX5 は 3 倍ズームで手ぶれ補正つけたというなかなかの意欲作だが、これもシャッタースピード 1/8 秒制限がある。というかこの機種、手ぶれ補正しか見るべき点が無いというのがかなり残念なのがー。無難に纏まってるし挙動もそこそこ早いので、フツーに使うならオススメ度は高いです。理屈で考えればいいカメラなんだけどねー。なんかもうひとつヒキがねー。
 LUMIX LC1 に関しては、不満点はボディのデカさと EVF の小ささくらい。こんだけ明るく大口径なのに色収差やパープルフリンジがほとんど見られないレンズはお見事。
 LUMIX FZ10 に関しては何度も声を大にして言いたい。このレンズのデカさにをバカにしてる輩は今すぐデカいカメラ屋行って Canon の白レンズ見せてもらって来い。400mm 超で通し F2.8 なレンズがこのサイズに収まっている事に逆にビビるぞ。
Nikon
 俺内部の結論では Nikon で買うべきは D70 と 3700。
 D70 はもう再評価する必要が無いくらい完成度の高いボディです。DX フォーマットレンズも揃ってるし他に何を求めると!? 縦位置グリップに関しては残念ですが。ほんとそれくらい。
 COOLPIX 2200/3200/4100/4200/5200 の「ちゃんともててちゃんととれる」はどないかなーと。なんかこうどれも今ひとつオススメ度が低い。強いて言えば 3200 が一番バランスが取れていていいんだけど、もうちょっと基本性能で勝負しようぜ Nikon さんー。
 逆に COOLPIX 3700 は下手をすると今一番欲しいデジカメかも。ボディの大きさや質感、画質、操作性、速度、どれを取っても「コレ!」というヒキはないが、総合的なバランスの良さが光るシブい機種で俺好み。不満点はディスプレイボタンの位置が右手親指から遠いのと、AEロック時に絞りとシャッタースピードが出ない事、あとは電源レバーの位置くらい。OLYMPUS 信者的にはあのレバーはズームレバーなんですよ……。
OLYMPUS
 なーんか相変わらずズレてるよね、我らがオリは。
 C-8080WideZoom は総合力。カタログスペックではなく実質スペック、洒落たデザインよりもホールドバランス。「テレ端 140mm が物足りない」とか言ってるような流行り廃りでカメラ買う人に対して「お帰りはあちら」と言っているかのようなコンセプト。シブい。カッコイイ。信者的にもうメロメロ。でもね、それゆえに話題に上らないんだよいいかげん学習しろ広報。でもまぁ、信者敵にはだが、それがいいんですが。
 C-770/760UltraZoom は電池持たなくなったのがツラい。実用上は問題ないレベルだけど、CR-V3 が使えなくなったのは痛い。あの小ささと MPEG4 の動画が魅力的なだけに残念。RICOH のように単3 or リチウムの電源体制だと言う事は無いんだけど……。
 AZ-1 はなんかもう OLYMPUS のデジカメとして認めたくないんですが、意外に画質が良かったりするので侮れない。ただこの操作系は我慢できねぇ。せめてダイヤル押し込みが出来ればメニュー操作も快適だったのに。あとボディデザインもビミョー。フェラーリモデルはなかなかかっこいいんだけど。
 X-3 はヒキ無さ杉。起動もだいぶ早くなったけどまだまだ。今回も PowerShot S60 の勝ちだろうなー。
 E-1 に関しては秋の廉価機&レンズ待ち。ただし現在いくつかの量販店でカメラ下取りキャンペーン(なんかカメラ持ってきたら 30000 円引き+ 1GB CF プレゼント)やってる。
PENTAX
 下手をすると今一番元気なカメラメーカーじゃなかろうか。
 *ist D は秋に廉価機が出ると分かってるんですが ¥144,000 で買えることを考えると、今とりあえず買っとくというのも手かも。レンズは別ですが。ただ PENTAX が本気であれば、廉価機は *ist D の性能据え置き or 一部アップの D70 現象の可能性も捨てきれず。でも *ist D よりも軽量化する事をウリにする方向に行くかもしれない。予想が立ちにくいので、必要でないなら秋まで待ったほうがいいかも。
 コンパクトに目を移すと Optio S4i / S40 がオススメ度高いです。画質と電池のもちに関しては EXILIM に一歩譲りますが、全般的な操作性では逆にこっちが上。マクロも強い。
 Optio 43WR は悔しいけど μ DIGITAL より性能も画質も上。ただコンセプトがぜんぜん違うので、ユーザのすみわけは出来てそう。
RICOH
 ……そろそろ画質にテコ入れしない?
 GX は PowerShot S60 の登場でややその地位を脅かされつつある。ボディサイズと起動速度、AF 速度、マクロ、ワイコンのコンパクトさ(とおそらく質も)、電池のもちでは勝っているものの、いかんせん画質面での劣勢はぬぐいきれない。あとあっちはテレ端 100mm を達成してるのもカタログスペック上での不利*2。それに対して RX はクラスが違うのでむしろ有利かもしれない。
 とは言え、RICOH のデジカメってのはもともと安さを求めた結果か、GR シリーズを知る人向けだったりするので心配は無用かも。G4Wide ユーザの俺個人としては断然オススメですが。
SANYO
 デジカメ業界の裏ボスは初心者向けばっか作ってますな。また MZ3 みたいなの作ってちょ。
 J4 に関していきなりですがちょっと微妙。画質はやや解像力不足でエッジ強調過多と言った感じ。ホワイトバランスも CASIO 的でなんか今ひとつ。ただマクロアシストランプと動画時 ISO1600 達成の存在がかなり強力。ボディサイズも小さくレスポンスも良く、画質全般を除けばかなりイイ。
 S1/3/4 は初心者向けとしてはいいんでなかろうかと思います。ごくごく普通。
SONY
 個人的には現行の SONY で買おうと思えるのは P100 と W1 くらい。話題にならない機種のほうがイイ。
 T1 / T11 は前から言ってるように、「カメラ」が欲しいなら買うべきではないです。「デジタルガジェット」が欲しいなら別ですが。あと T1 のブラックバージョンも塗装はげ問題が浮上しているとの話が。VAIO 505 のパームレストみたいな。
 逆にあれだけダメだダメだと思っていた P シリーズが P100 でいきなり良くなりました。小さいし、レスポンスいいし、画質もわりと良くなったし、オマケ程度とは言えマニュアル露出が使えて夜景に使える。問題なのは SONY 機全てに言えることですが、操作性。いいかげんあの使えないメニューはなんとかしてください。
 F88 はやっぱり 1/2.4 型 500 万画素 CCD がアレでソレでナニ。まぁ現行の回転レンズ機で 500 万画素達成してるのはこれしかないんですよね実は。まぁ SONYメモリースティック売るために画素数を上げつづける運命にあるので……。カタログスペック好きな SONY ユーザ向け。

 眠い頭で書いてるのでいろいろ不備あるかも。気付き次第修正していきます。 

*1:光軸から離れた場所にあるため、ちょうど一眼レフに外付けフラッシュをホットシューに取り付けてシャッターボタン下方向縦位置(つまりフラッシュは被写体に対して右に倒れる)で撮ったのと同じ効果が得られる。人物などに対しては普通。

*2:RICOH はデジカメメーカーとしては珍しく国内流通が主であり、それゆえに 28mm レンズとかマクロとか日本人好みのカメラが作れる。それに対して Canon は米国・欧州などに売って行くため、28-100mm というレンズスペックになる。実は日本よりも海外の方が画素数信仰・望遠信仰が深かったりするからだ。かくして海外への輸出の多いメーカーはどうしても焦点距離 100mm を越える必要があリ、これが広角ズームレンズの採用がほとんど無い事の一要因となってしまった。