デジタル一眼レフ冬の陣2004

 E-300の値段が分かったことですし、20万円以下のデジタル一眼レフについて現段階での考察とかの駄文。

OLYMPUS E-300
レンズ込み実質9万以下というすんげぇ安さとダストリダクションを備えたことで、主にコンパクトデジカメからのステップアップ組の食いつきを良くしたフォーサーズ2号機。未確認情報だがJPEGでの連写性能が良くヘタすると無限連写可能との話もあり、一時期のダメダメムードはかなり払拭されている。とは言え懸念事項はもちろんあり、E-1で不評だったAE・AWB・AFの不安定さがどれだけ改善されているかと、いまだにサンプルが出ていない画質がそう。特にAEの不安定さは初心者にとって使いづらいカメラになる為是非改善して頂きたい。ここがひとつの正念場。
OLYMPUS E-1
ボディが12万円台まで下りてきた事で、標準ズーム込み 18 万円台でゲット可能になっている。防塵防滴性能を持つデジタル一眼レフでは最も安価で、その信頼性は今年何度も襲来した台風で実証済み。E-300の項目にも書いたがAE・AWB・AFの不安定さが目立ち、それを自分で対処できる人向けのカメラといえる。特に曇りの日のデジタルESP測光の暴れ方はハンパではない。
Canon EOS 20D
オールマイティに使える優等生。初期のファーム不良など多少の問題点はあったが現在では解消。高感度時の低ノイズは特筆に値する。全てのEOS KISS DIGITALユーザは移行するべき。ただし標準ズームEF-S17-85mm F4-5.6 IS USMはパープルフリンジが発生しやすい事、シャッター音がかなり大きい事など、全方面で完璧ではない事を頭に入れておく必要がある。
Canon EOS KISS DIGITAL
20Dが出た以上一般的には選ぶ必然性が低いと思われるが、軍資金の無い人、ボディよりもレンズに金をかけたい人は未だに要チェキ。長所・短所は出尽くしているので特に書かないが、後継機が春に出るとの噂もあるので出来るだけ安く買うのがコツ。
Nikon D70
こちらも20Dに負けず劣らずオールマイティに使える優等生。DXレンズのラインアップが充実しており、EFレンズに比べて足りないのは手ぶれ補正つきのデジタル対応標準ズームくらい。AE・AWBの安定度が高く、標準ズームの描写も良い。懸念事項はファインダが傾いている「ハズレ」を引き当てる事、縦位置グリップなどのアクセサリの数が意外に少ない事。
KONICAMINOLTA α-7 DIGITAL
満を持して出すデジタル一眼レフだが、最大の特徴とも言うべきAnti-Shakeがこれからの先行きを握っている。というのも、Anti-Shakeの稼動範囲を確保するためにイメージサークルの外周にある程度のマージン(最大5mm程度)を取る必要があり、これがAPS-Cサイズのイメージサークルに最適化したレンズをマウント部を変えてリリースしているレンズメーカーの参入がしづらい状況を作っている可能性があるからだ。この状況が真だったとして、コニルタがやるべき事は、出来るだけ早急にデジタル対応の広角レンズや高倍率ズームレンズを揃える事。しかし現状ロードマップの発表も無く、ある意味先行きはフォーサーズ以上に不安。もちろん既存のαレンズを持っている人には持ってるレンズが全部手ぶれ補正対応になるというアドバンテージは何物にも代え難い。またαシリーズで定評のあるファインダは健在との情報を頂いており、売れるかどうかは別として名機の予感はしている。
PENTAX *ist Ds
E-300で価格に負けてしまったとは言え、その小ささと軽さは健在。少なくともISO感度の設定上限はこちらの方が高い為、PENTAX の明るい単焦点レンズ(F1.9/1.7/1.4)とあわせて暗所での撮影には有利だろう。画質に関しては公式サンプルの出来が今ひとつだが、*ist D の素直ですっきりした画質を考えると今回の標準ズーム DA 18-55mm F3.5-5.6 AL との相性ではないかと推測している。俺としては *ist D の標準ズーム FA J18-35mm F4-5.6AL や、コンパクトさで勝る SIGMA 18-50mm F3.5-5.6 DC 装着時の画質で判断したい。また *ist D シリーズは珍しく単3電池仕様だが、CR-V3 使用可能という超強力なアドバンテージがある。ニッケル水素電池での通常運用に加え、旅先などでの CR-V3 でのノンストップ作戦や、メーカー保証外ではあるがケンコー U-#3001 を使用しての常時携帯運用*1など、様々な運用方法が模索できる点は他のデジタル一眼レフには無い特徴と言える。
PENTAX *ist D
こちらも E-1 同様ボディが 12 万円まで降りてきている為ゲットしやすくなっている。*ist Ds との差別化に関してはボタン点数がこちらの方が多いため操作性は高いのではないかと思うが、実際に *ist Ds を触ってみないと分からないだろう。また *ist Ds はメモリが SD であるため、枚数を稼いだり RAW で撮影しはじめたりすると CF・マイクロドライブの低価格・大容量のメリットが効いてくる。「SD も普及したし大容量なものが出ているので大丈夫」というフレーズは対 CF 比較ではまだまだディスアドバンテージだ。俺的にはこの 3 万の価格差は CF・マイクロドライブでの運用を考えるとすぐに埋まると考える。
FUJIFILM FinePix S3Pro
まだ海のものとも山のものともつかぬシロモノという印象が強い。最終仕様の発表まで何度か中身が2転3転している。11月下旬発売予定でいまだにサンプルを出していないのもプロ用途を視野に入れた機種としてはどうかと思う。スーパーCCDハニカムSRの歩留の問題で延期されるのではないかとの見方が強まっている。肝心の画質だが、発色と耐モアレ特性は S2Pro で定評がすでにできあがっているため、後はSRがうたい文句通りに広いダイナミックレンジを実現してくれれば他には無いアドバンテージになる。