14-45mmは最強のマクロレンズ!?
E-300ボディ5万円突破記念(下向きに)。または、M.D.B.がなかなか出せなくてギャフンですが検証撮影中にフォーサーズ依存でわかったことを書いてみました企画。ないしオリンパスイメージングのSさんレンズ貸してもらったのに本なかなか出せなくてごめんなさいスペシャル。
フォーサーズ野郎、特にE-300ユーザーやE-1エディターズキットユーザーの方々にはおなじみの「ZUIKO DIGITAL 14-45mm F3.5-5.6」。
OLYMPUS ZUIKO DIGITAL 14-45mm F3.5-5.6 (非AA)
主にE-300のセットレンズとして知られ、「暗い」「逆光耐性無い」「寄れない」とネガティブな定評がついているため「写真も写せるボディキャップ」などというありがたくなーい二つ名を持っています。そこで資金に余裕のある人はE-300をボディ単体で購入し、レンズはE-1向けの標準ズーム「ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5」を別途購入して運用している方も少なくないようです。俺もE-300で出かけるときはたいてい14-54mmを使ってます。
OLYMPUS ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5 (非AA)
こんな感じで、「安くて軽い以外に取り柄がない」と思われがちなこの14-45mmですが、実はエクステンションチューブ「EX-25」と組み合わせるといきなり高性能なマクロレンズになったりするのです。
OLYMPUS エクステンションチューブ ZUIKO DIGITAL ED 50mm MACRO用 EX-25 (非AA)
14-45mmは単体での撮影倍率はたったの0.16倍*1ですが、エクステンションチューブと組み合わせることで0.78倍*2にまで倍率を引き上げることができるのです。ちなみにこの撮影倍率は評判のいいマクロレンズ「ZUIKO DIGITAL ED 50mm Macro」の0.52倍を上回る性能です。*3
【参照情報】「OLYMPUS E-SYSTEM専用 レンズ・レンズ関連アクセサリ 仕様一覧表」の【 エクステンションチューブ「EX-25」で使用可能なレンズ、撮影可能範囲、倍率 】
では実際どれくらい大きく写るのか、段階をふんで試してみましょう。被写体は「機動戦士ガンダムSEED DESTINY シードヒロインズ デスティニーベスト」より、このサイトの被写体としてはおなじみっつーか毎回なんでこの人なのかよくわかりませんがテロリストの頭目こと、ラクス・クライン。
まず14-45mm単体。
OLYMPUS E-1 + ZUIKO DIGITAL 14-45mm F3.5-5.6
1/80s / F5.6 / f=45.0mm(約90.0mm相当) / ISO 400 / ワンタッチWB / マニュアル露出
ワンコインフィギュアならぎりぎり全身が入る程度ですね。ガチャフィギュアとなると厳しくなってくるでしょう。
つぎに14-54mm単体。
OLYMPUS E-1 + ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5
1/80s / F5.6 / f=54.0mm(約108mm相当) / ISO 400 / ワンタッチWB / マニュアル露出
やはりオールマイティレンズ、ワンコインフィギュアのウェストアップくらいならこなせますね。ガチャフィギュアなら全身を余裕で入れられます。
んで、この14-54mmにエクステンションチューブを使用してみると、
OLYMPUS E-1 + ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5 + EX-25
1/40s / F5.6 / f=54.0mm(約108mm相当) / ISO 400 / ワンタッチWB / マニュアル露出
このように拡大率がアップしました。ワンコインフィギュアのバストアップという感じですね。ガチャフィギュアならウェストアップ以上がいけるでしょう。
ちなみに14-54mmを使用した場合、ピント位置は無限遠になります。ピント位置を最短にあわせてもピントがあわせられません。エクステンションチューブはもともと「レンズと撮像面との距離(メカニカルディスタンス)を離すと拡大率が上がる」*4というレンズの性質を利用しているのですが、ピント位置もレンズ単体の場合と変わってしまうので、装着するレンズとの相性とピント位置によっては使用できなくなるのです。
さていよいよ14-45mmとエクステンションチューブとの組み合わせです。
OLYMPUS E-1 + ZUIKO DIGITAL 14-45mm F3.5-5.6 + EX-25
1/40s / F5.6 / f=45.0mm(約90mm相当) / ISO 400 / ワンタッチWB / マニュアル露出
ピント位置は無限遠。いままでのものとは若干アングルが違うのでわかりづらいですが、14-54mm+エクステンションチューブの組み合わせより拡大率がアップしていますね。
そしてピント位置を最短にしたのがコレ。
OLYMPUS E-1 + ZUIKO DIGITAL 14-45mm F3.5-5.6 + EX-25
1/40s / F5.6 / f=45.0mm(約90mm相当) / ISO 400 / ワンタッチWB / マニュアル露出
明らかに拡大率がアップしています。肩より上は全て写っている感じですね。
このように、エクステンションチューブ(接写リング)は組み合わせるレンズによって予想以上の効果を発揮することがあります。もちろんオリンパスだけでなく、キヤノン・ニコン・ペンタックス・コニカミノルタといった他のシステムでも純正もしくはサードパーティから発売されています。
ただしこれらのエクステンションチューブにはいくつかの制限事項があります。
- 接写以外には使えない
- ピント制御できる範囲が極端に狭くなるため、装着時はマクロ専用になってしまいます。
- レンズが暗くなる
- 上の作例の撮影データを参照してください。各作例の露出はあまりかわらないのに、エクステンションチューブを装着した時のシャッタースピードは1/80秒から1/40秒まで、つまり1段遅くしています。これはエクステンションチューブを装着すると像面に届く光の量が減るためです。製品やエクステンションチューブの大きさによって異なりますが、およそ1〜1.5EVほど光量の減衰が発生します。マニュアル露出で撮るときはこの点を注意しましょう。
- AFで撮れない
- 多くの場合AFは使用できません。オリンパスでもエクステンションチューブと組み合わせてAFが使用できるのは現状で50mmマクロのみです。その為MFで撮ることになりますが、上記の通りレンズが暗くなるのでファインダも暗くなります。十分な光量を確保することをおすすめします*5。
これらの制限事項をふまえた上で使用すれば、少ない投資で高倍率のマクロを楽しむことができます。14-45mmが最強のマクロレンズというのは実際には語弊がありますが、買ってすぐオークションや中古屋に流すには惜しいポテンシャルがあるということは覚えておいて損はないでしょう。
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