2005年まとめ5。

 去年は忙しくてなんかできませんでしたが。今年のデジカメ関連のニュースを、個人的な見解にもとづくベスト5でまとめてみたいと思います。

【5】カメラメーカー第二グループ、家電系メーカーと提携。
 今年は一眼レフ全盛の年でしたが、CanonNikonの次の座を狙う第二グループ的メーカーが次々に家電系メーカーと提携する年でもありました。また同時に家電系メーカーのデジタル一眼レフ市場参入も次々に表明されています。
 まずはOLYMPUSとPanasonicの提携。これは松下のフォーサーズ参入にもつながっています。「ズイコー銘とライカ銘のレンズがフォーサーズに!」なんていう話題もありました。また松下は国内の主要CCD/CMOSイメージセンサーの提供元でもあり、フォーサーズという小さいイメージセンサーフォーマットにフルフレームトランスファーCCD以外のブレイクスルーをもたらしてくれるかもしれません。
 次にSONYのαシステム参入。もともとSONYは傘下にTAMRONを擁しており、KONICAMINOLTAへレンズのOEM提供がされていましたが、その両社がいよいよ具体的に相互の技術供与の話に繋がりました。もちろんSONYは国内大手のCCDメーカー。APS-CサイズのCCDを安価に提供したり、D2XD200と言ったNikonデジタル一眼レフ用撮像素子を供給してきた実績で、その地位は不動のもの。その影響力はときに甚大な被害を出す事もありましたが、このメーカーがつくということは撮像素子を作っていないKONICAMINOLTAにとって大きな味方になるでしょう。
 そして、SAMSUNGとPENTAXの提携。すでにSAMSUNG側では*ist DLベースの具体的な製品まで登場しつつあるということ。国内ではあまり知られていませんが、SAMSUNGフラッシュメモリCMOSイメージセンサーの世界的な大手製造元でもあり、これもPENTAXにとってプラスになるのではないかと。国内メーカーに韓国資産が参入することを嫌う向きもありますが、まぁ実際にふたをあけてみないとわかんないってことで。
【4】中堅デジタル一眼レフが1000万画素オーバー時代へ。
 再び一眼レフの話題ですが、やはりなんだかんだ言っても35mm版フルサイズのCMOSを載せたEOS 5Dの話題性はすごかったですね。周辺光量低下やボディ性能などいくつかの妥協点は必要でしたが、フルサイズで40万を切り、実売30万を切ろうとしているこのカメラの与えた衝撃はすごかったです。このあたりはさすがCanon。おかげでうちの会社のNikon党員な上司が「フルサイズ出るまでデジタル買わない」って言い出しちゃいましたよ。
 あとは冬のNikon D200。これはCCDは従来どおりAPS-CサイズのDXフォーマットですが、5fpsの連射速度や多機能な調光システムを初めとする機能性や、縦位置シャッターボタンの無いボディとしてはE-1以来になる防塵・防滴機能をそなえた堅牢なボディなど、「デジタル版F100」という売り文句にふさわしいボディに仕上がっています。高感度時のノイズに若干の不安材料は残っていますが、今もなお飛ぶように売れている大人気ボディでした。
 このように、今年は中堅デジタル一眼レフが1000万画素を突破し、またCanonNikonで方向性の違いはあれどユーザーにとって満足度の高い製品が登場してきました。予定通りいけば、来年春にはOLYMPUSがE-1後継機を登場させて追撃するはずなので、来年もこのカテゴリは見逃せません。
【3】カメラメーカー、低価格デジタル一眼レフ揃い踏み。
 多くの消費者にとって身近な話。CanonEOS KISS DIGITALを皮切りにはじまった低価格デジタル一眼レフ市場は、今年いったん完成形をみた感じです。特にKONICAMINOLTA αSweet DIGITALの登場で国内の主要カメラメーカーが全てデジタル一眼レフを出した事になりました。
 またそれらの低価格デジタル一眼レフが、少なくともスペック上の要求で妥協が少なく、また個性が重視されてきた事も特徴です。EOS KISS DIGITAL Nの完成度や、D50の測光精度、*ist DLのファインダ、αSweet DIGITALの手ぶれ補正機構、E-500の多機能さなど。今年はじめてデジタル一眼レフを購入した人は、幅広い選択肢の中から選ぶ楽しみがでてきたのではないでしょうか。
 また、これらの価格面も大きな見所の一つです。今年はE-300が64馬身ほど先行しましたが、E-500がそれに続くのか。はたまたすでにレンズキットで7万を切っている*ist DLが猛追するのか。来年の動向が気になるところです。
【2】京セラ、撤退。
 「CONTAXの供給元がなくなる」。今年3月に発表された撤退の報道は、カメラファンに対して大きな衝撃を与えました。CONTAXブランドのカメラ、Carl Zweiss銘のレンズ、N DIGITALシステムの凍結。現在のカメラ市場が淘汰の時代に突入していることを実感させる報道でした。
 おなじく3月にLeicaが経営不振の報道を出し、Agfaのコンシューマ部門が5月に破産、KONICAMINOLTAが3月11月に規模縮小を発表。また、国内カメラメーカー各社も、コンパクトデジカメ事業で苦戦を強いられています。
【1】コンパクトデジカメは画素数競争からぶれ補正競争へシフト。
 さて、気を取り直して。やはり今年のデジタルカメラ市場の傾向はこれでしょう。衝撃的な感度で今年のコンパクト市場にインパクトを与えたFUJIFILM FinePix F10/F11/Z1/Z2/S5200/S9000をはじめとして、OLYMPUS μ800/600 DIGITALやSP-700、CASIOのEXILIM EX-S500/S600/Z500、PENTAXOptio WPi/S6、SONYCyber-shot T9/N1と、今年は高感度耐性をうたったデジカメが数多く発売されました。なかでもFinePixは、通常のAUTOモードからISO800までのゲインアップを行っており、カメラの知識がない人、特にAUTO以外に設定しない人でも「ISO感度」というパラメータを意識させずに実装したという点で画期的でした。
 またLUMIX FX8/9に代表される手ぶれ補正機構でのぶれ対策機も確実に進歩してます。Panasonic LUMIX全機種、KONICAMINOLTA DiMAGE X1/Z5、SONY Cyber-shot T9/H1、Kodak EasyShare P850 Zoom、RICOH Caplio R3。この1年で実に多くの機種が手ぶれ補正機構を実装しています。
 特にCyber-shot T9Caplio R3は高感度と手ぶれ補正機構を両立しており、かなり強力な製品に仕上がっています。俺はT1から続くTシリーズについては常に苦言を呈してきましたが、T9は素直にいいカメラだと思ってます。
 
 今年はなかなか大きいニュースが多く、またデジタル一眼レフの台頭が激しい事もあり、なかなか激動の1年だったと思います。
 さてさて、来年はどんな1年になりますやら。