届きました。

Front Logos.
5.0 Megapixel.OLYMPUS LENS 38-114mm,F2.8-4.8.
Back Logo.Closed Lens Cover.
Back.OLYMPUS CAMEDIA X-2.
撮影機材:OLYMPUS CAMEDIA C-730UZ

 OLYMPUS CAMEDIA X-2。昨年 11 月に発売された 500 万画素のデジカメです。
 カテゴリとしては C-40Z の後継となる、マニュアル系スタイリッシュコンパクト。なお、X-1 は X-2 の 430 万画素モデル。ただし外装とファームウェア以外はほぼ同じカメラで、X-2 の 500 万画素 CCD のうち外周の 70 万画素を使えなくしたものです。パッケージングとしては X-2 に付いてくるリモコンが付いてこないことと、標準添付の xDピクチャーカードが 16MB であることが違いです。
 主な仕様は以下の通り。

・CCD
1/1.76 型 500 万画素原色系 CCD
・最大記録サイズ
2560×1920
・レンズ
解放F値 2.8〜4.8、焦点距離 38-114mm (35mm 換算) 3 倍ズーム
・絞り
ワイド端:F2.8〜F8.0 テレ端:F4.8-8.0(絞り羽 6 枚)
シャッタースピード
1/1,000 秒〜1/2 秒(夜景モード時 4 秒 / M モード時 8 秒)
・マクロ
ワイド端最短 20 cm (テレ端最短 30 cm)
・露出制御
プログラム(P)・絞り優先(A)・シャッタースピード優先(S)・フルマニュアル(M)・シーンモード 6 種 (物理ダイアル切替)
・露出補正
± 2 EV (1/3 EV ステップ)
・ホワイトバランスプリセット
オートを含む 5 種 (カスタム不可能)
・メディア
xDピクチャーカード(32MB添付)
・接続
USB マスストレージ対応

 電源はレンズバリア開閉式。電源が入っていないときはレンズが守られるのと、カバンから出しながら電源を入れられるのがメリットと言えましょう。ただし、今時のデジカメとしては起動があくび出るほど遅いですが。
 また 500 万画素とこのクラスのデジカメとしては画素数が最大になりますが、はっきり言って画質は悪いです。 CCD 1 画素あたりの面積が小さく、またレンズの表面積も狭く解像力が低いため、受光に無理が生じています。その結果ノイズ出まくりのディティールぼやけまくりでスッキリ感の無い画質になってます。
 オートホワイトバランスもよくコケます。全般的にシアンのきっつい色合い。そのためホワイトバランスはユーザがプリセットを選んでやる必要があります。ミックス光になるとヤバめ。しかもカスタム不可能なので、ややこしい光源下での撮影は厳しいです。訂正。詳しくは03-05-04を参照。
 マクロも弱い。OLYMPUS のデジカメはほとんどの機種でテレ端 20cm を確保しているのですが、X-2 は テレ端 30 cm。ていうか μ-10 はおろか X-200 にまで負けてるってどうよ。(どちらもテレ端 20cm)
 あと速度が遅い。レンズバリアを引いて撮影可能になるまで約 4.5 秒。昨今のデジカメは高速化が進んでいるため、起動が 3 秒以内に完了する機種が多いです。Konica のデジカメなどは起動 1.5 秒以内という驚異的なタイム。また起動だけでなく撮影間隔も長いです。
 他にも、AFがやや頼りない TTL コントラスト検出方式のみだったり、長時間露光時のノイズリダクション機能が無かったり(C-40Z にはあった)、とはっきり言って、値段に見合ってるかと問われれば首をかしげたくなるような性能です。
 むしろ仕事抜きでこの価格帯におけるお勧めのカメラを挙げろと言われれば、X-2 は真っ先に無視して Canon のアレや MiNOLTA のソレや Konica のナニを挙げるでしょう。
 ちなみに俺のお薦めは MiNOLTA DiMAGE F-300。起動・終了は遅いですが、それ以外がかなり速い。多分 500 万画素機では最強かと(SD 使ってるって事もありますが)。単3電池使えるので緊急の時使えるのが大きいです(アルカリはあんまりもたないらしいですが)。画質も良く、マニュアルも一通り使えます。

 じゃぁなんでそれ買ったの? と言われそうです。
 ていうかこれらの欠点は全て承知の上で買っています。事前調査済み。というよりデジカメ販売員時代の最初の仕事がこのカメラを売る事だったんです。
 また逆に、このカメラの利点も良く知ってます。
 まず電池の持ちが良いこと。X-1/X-2 と μ-10 は共通のリチウムイオンバッテリを使ってるんですが、実はこれ SANYO 製デジカメのと同じです。SANYO のデジカメは動画撮影機能が充実しており、特に DSC-MZ3 は大きなデータになりがちなムービーデータを保存するため、激しく電池喰いなマイクロドライブに対応しています。おそらくの話ですが、そのマイクロドライブを使ってムービーを長時間録画できるようにするために、大容量で長時間もつバッテリを装備する必要があったのだと思います。そして実際に採用されているバッテリの容量は 1090mA。IXY シリーズが 840mA に対してかなり容量があります。もちろん電池の持ちは容量だけでなく電圧や電源管理機構によっても決まるので一概には言えませんが、少なくとも容量は大きい。
 デジカメで最も電池を喰うのは画像処理エンジン、つまりコンピュータ処理です。当然扱うデータ量が増えれば増えるほど電池を喰う。X-2 は 500 万画素という大きなデータを処理しながら、電池のもちを良くするために SANYO のデジカメに採用されているバッテリを使用したのかもしれません(意図的か偶然かはともかくですが)。まだきちんとデータを提示できるほど撮ってないのでどれくらいもつかは把握してませんが、少なくとも 2 時間ほどあれこれ触ったり撮影したり再生したり PC で吸い出したりしてても電池残量ゲージは変わらなかったので、IXY200a よりは持つと思います。
 もう一つの利点はボディに高級感があること。OLYMPUS はそれまでどちらかというとチープなデジカメばっかり作ってました。デザインダサくて野暮ったいし材質もプラスチッキーだしなんかもーダメダメみたいな。そこに来ていきなりヘアライン加工フルメタル外装のイカすボディで登場。このデザイン、俺は非常に気に入ってます。
 そして決定打になったのが操作系。
 後背部の画像を見ていただければわかりますが、撮影時に使用するほとんどのボタンとダイヤルが向かって右側に集中してます(上部2つは使用頻度が低い)。また露出補正とシャッター速度設定が左右キーのみ、絞り設定が上下キーのみで可能(第1層にある)。F-300 はメニューを呼び出す必要があります。
 またメニュー構造も、多くの機能をいくつかのタブに分けて整理されているため、目的の機能にたどり着くまでが早く、レスポンスもキビキビしてます(ボタン押下回数そのものは多いですが)。また操作第2層の上下左キーに好きなメニュー項目を割り当てられるショートカット機能があります(マニュアル系モードのみ。右はメインメニュー)。ホワイトバランスなど頻繁に使うメニューを割り当てておくとすぐに使うことが出来ます。肝心のボタンがもうちょっと押しやすければ完璧なんですが。
 あとファインダ。俺はファインダを左目で覗くんですが、IXY200a は右目で覗くタイプだったんです。これが IXY200a で最もストレスが貯まった点。またファインダの視野率(実際に写真に撮れる範囲のうち、ファインダで見ることの出来る範囲の割合)が 88% とそこそこ広めなのと、またファインダとレンズの位置が近いため、ファインダによるフレーミングが非常にやりやすい。IXY200a のファインダははっきり言って最悪です。作りもショボいし、レンズと離れていてフレーミングがしにくい。Canon は IXY ユーザにあらゆる場面で液晶見て撮れと言ってるのかと小一時間。
 本体のサイズはコンパクト系デジカメとしては結構厚めですが、その厚みがホールド感を良くし、手ぶれ軽減に一役買ってます。デザイン優先デジカメはホールド感が悪い事が多いですが、OLYMPUS 製のは握りやすいと思います。レンズカバーを開けるとちょうど右手の部分に来るため、ほどよい厚みを出しているわけです(これはμ-10もそう)。
 総じて、この X-2 というカメラは、画質や速度を求める人には向きませんが、使い勝手という点では優秀なカメラだと思います。
 
 X-2 を選択した俺個人の理由はもう一つあります。デジカメ販売員としてお店に立った時、俺が初めて売ったのもこの X-2 だったんです。お客様は銀塩一眼レフユーザのオジサマでした。そういう想い出のカメラ。俺以外の誰にもお勧めはしませんが、俺個人にとってはこれだけで買う価値のあるカメラです。
 そして今俺は、ヒッジョーに満足しています。